財産になる恋

かなり繰り返し放送されているので、覚えてしまった人も多いと思います。

「思い出も一緒に買い取ります」

という、ブランド品リユース店「なんぼや」さんのCMのことです。

CMは、失恋した女性が走るタクシーの中で悲しみにくれるシーンから始まります。

女性は、カレシからもらった指輪を見るのも辛いということで「なんぼや」さんに行くと、担当の鑑定士はカノジョの話しを聞いてもらい泣きしてくれます。

で、「思い出も一緒に買い取ります」という次第です。

興味ありますねえ。

弊店も「思い出を売るすき焼き店」ですのでねえ、早速調べてみることにしました。

で、「なんぼや」さんのサイトを開けますと、

<初めての方へ>

私ども「なんぼや(NANBOYA)」は心を込めた接客・査定を常に心がけております。

コンシェルジュ一人一人がお客様に対し誠意をもって接客をしておりますと、

「「なんぼや」に来てよかった」「また来るよ」などの温かいお言葉をいただけるようになりました。

このようにご愛顧いただいておりますおかげで、 たくさんのお品を買取らせていただけるようになりました。

このようなお客様との繋がりが私ども「なんぼや」の誇りでございます・・・とありますね。

「心を込める」とは具体的にどういうことなのでしょう。

客がブランド品を手放す理由を逐一インタビューするのでしょうか。

ますます気になります。

で、読み進んで行きますと、「お客様の声」というのが公開されていました。

「最近ではインターネットの普及率もあり、買取の処理が早いというのが特徴ですね。最短翌日で口座への入金が完了しました。高級ブランド財布も思い切って処分したのですが、高額買取査定だったので、嬉しかったです。(40代男性)」

「誠実なコンシェルジュさんが対応してくれるからいいですね。私が前に昔買ったブランドのジュエリー、他のお店では人気が無いからという理由で低い査定でしたが、高額買取してくれたのは嬉しいです(20代女性)」

「ブランドバッグの買取って難しいですね。シャネルでも、あまりにも見た目が古いと買い取ってくれないと諦めていたとき、こちらで高く買取してもらえました。(40代女性)」

「宅配買取に注力して取り扱ってくれるのは非常に嬉しいですね。また、他の高級ブランドの洋服もお願いしようかなと思っています(30代女性)」

「思い出話しを聞いてくれて嬉しかった」というのは出て来ませんね。高額ということと便利というのが「声」のようです。

さらに進みますと、取扱い範囲が広いことのPR、そして、

「高価買取の理由」

・流通ルートが豊富

・無駄なコスト削減

・経験豊富な鑑定士

・どんな状態でも買い取り

・徹底的に市場調査

うーん。

サイトを一巡してみましたが、要するには、色々なものを高く買い取る、ということのようですな。

売る理由を聞きださないで、思い出を買い取れるでしょうかね。

時間の無駄でした。

結局、思い出は金銭には成らないものです。

どんなに思い出が詰まったものでも、物は物でなのであって、その思い出を共有しない人には、物以上の価値はありません。

だから人は思い出を文字にします。文章にしたり、詩にしたりします。

それが正しい思い出の扱い方だろうと私は信じます。

お時間がありましたら、「すき焼き思い出ストーリー」のサイトを創りましたから、ご覧ください。

って言うか、私はカノジョに尋ねたい、

指輪は返さないのか、カレシに。

 

追伸

『日本のごちそう すき焼き』は、平凡社より刊行されました。

この本は、

食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、

この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。

是非是非お求めください。

弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。

是非。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.876日連続更新を達成しました。

 

 

 

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)