シンプル・イズ・ベスト

丁寧にやる場合と、シンプルにやる場合で、かかる時間の差は10秒とか30秒位なのに、シンプルにやりたがる人がいます。人とのコミュニケーションの話しです。

例えば、

6時の3名様が4名様になって、料理が「蒸気車(9.000円すき焼き)コース」になりました!

という連絡を厨房に伝える場合を考えてみましょう。

この言い方は、あまりコミュニケーションが丁寧でない人ですね。

もう少し丁寧に言っても良さそうなものです。

6時に3名様の御予約がありましたけど、それが1名増えて4名様になりました。で、そこの料理が未定だったのが決定して、「蒸気車コース」になりました!

と言えば、最初の言い方とかなり違うと思いませんか。

実はこの日は6時に別件で「蒸気車コース」×4が、元々もう一組ありました。だからさらに、

これで6時の「蒸気車コース」×4は2組になりました!

と言って欲しいところです。そうしないと、厨房が、

あれ? ダブり注文かな!

と思ってしまうことがあるのです。そういう間違いが起こらないように、言い方を変えて防ごうとする人を、上司は信頼するものです。

さらに言えば、連絡をするタイミングも考えて欲しいものです。

連絡を通される側は、今そういう用件を切り出されるという、心の準備が出来ていません。何かしている最中に急に言われるのですから、聞き間違えかねません。

だからむしろ、

スミマセン、〇〇さん、今夜の予約のことで変更があるんですけど、メモを書いて、ここに置きましたから、あとで見て下さいね!

と言った方が良い場合もあります。急ぎなら口で言うべきですが、6時の話しを3時にするのなら、紙で置いておく方が親切で正確というものです。

自分の「要件をはやく済ませたい」という一心に囚われてしまうと、とても困ります。

だいたい、ですけど、私は、

シンプル・伊豆ベストいや、シンプル・イズ・ベストと思っていません。

少し丁寧に仕事しても、10秒とか、せいぜい30秒余分にかかるだけですよね。

たしかに、数学の法則とか国家百年の計なら、シンプルな方が良いとは思いますよ。

例えば明治日本のスローガンは「富国強兵」の四文字でOKだったと今でも思います。

このシンプルな目標の下、疎かにされた分野~例えば公衆衛生があったことは勿論知っています。でも「富国強兵、衛生も」ではボヤけて士気があがりませんね。

だから国家百年の計はシンプルな方が良いと思いますが、普通の仕事はシンプル・イズ・ベストと思いません。

普通の人は丁寧に。

どうしてもシンプルに生きたければ、偉くなって下さい。

追伸①

雑誌『東京ウォーカー』2013年第8号の、新連載コラム「スギちゃんの愛される理由」の初回に、私が登場させていただきました。「長く愛されたいスギちゃんが、東京の老舗を訪れて愛される秘訣を探ります!」というコーナーです。是非ご購読を。

http://www.kadokawa.co.jp/mag/tw/

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は348人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.154日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)