新発田麩
「新発田麩」を、地元の「金升酒造」の御主人から戴きましたので、すき焼きに入れてみました。
「新発田麩」というのは、新潟県新発田市の「宮田製麩所」さんの、オリジナルの麩です。
結構おおぶりで、直径が8cmほど・高さが4.5cmあり、饅頭のような形をしています。
地元では「饅頭麩」とも言って、名物だそうです。
それを「水にひたさず、そのまま2~4つに切って、だし汁の中に入れて煮て下さい。すき焼き、お吸い物、中華料理などに最適です。」とパッケージに書いてありましたので、その通りにしてみました。
通常我々すき焼き屋は、麩を水で戻してから、ザク皿に盛りますが、新発田では違う方法なのですね。
この「新発田麩」を、宮村製麩所さんは明治35年(1902年)の創業以来、作って来られたそうです。食文化ですねえ。
麩以外にも、新発田には日本酒や和菓子などの食文化がありますが、そのような街が出来たのは、新発田が城下町だったからです。
しかも豊臣時代から幕末まで、同じ溝口家の殿様が転封なしで居続けた、という珍しいケースです。歴史的文化財が多いのも当然です。
しかし新発田が面白いのは、それだけではありません。明治レトロ~昭和レトロな街でもあるのです。
新発田には、明治時代に陸軍の連隊が置かれ、それ以降終戦まで、この町は「軍隊の町」に成りました。今でも陸上自衛隊の駐屯地が在ります。
軍の在るところ、肉が必要です、当然。
で、人口10万人ほどの小都市なのに、老舗すき焼き専門店が残っているのだそうです。また老舗洋食店で、すき焼きが食べれられる店もあるとか。
そうです、ここまで例によって受け売りで書いてきましたが、「人口10万なのにすき焼き屋が」と知ってから、私は新発田にガゼン興味を持つようになった次第です。まあ、ごく最近のことです。
そんな一知半解の知識でも、新発田は、隣の大都市・新潟よりすき焼き度がグンと高いと、私は断言できます。
まだ訪ねたことがありませんので、今年は豪雪だとかで、冬場に行くのはキビシいようですが、雪が溶けたら是非訪ねてみたい、と思っています。
皆様も、是非に。
さて、話しは戻って「新発田麩」のすき焼きですが、小麦グルテンの魅力を強く感じさせる食べ物でした。
こういう独自の食文化は是非今後も残していただきたいものです。
追伸①
藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。
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是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
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追伸②
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この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は334人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.063日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした