会社を継ぐ、という人生⑥
母校・慶應義塾中等部(=慶應大学の付属中学校)の「キャリア講座」に出講します。
これは毎年開講されているレッキとした正規の授業でして、中学生のために、OBが自分のキャリアについて話すのです。
お引き請けしまして、私は、その演題を「会社を継ぐ、という人生」にしました。
10人の講師が出て、生徒さんは、その中から選択できるのですが、私以外は学者さんとか、弁護士さん・お医者様・アナウンサーのお姐さんとか、当然ながら非世襲組です。
当初世襲社長であることを鮮明にしたものかどうか、迷いましたが、この際ハッキリさせてお話しするすることにしました。
生徒さんの集まり具合は、どうやら10人の中で真ん中辺りのようです。
原稿が出来ましたので、UPしたいと思います。
この話しは長いので、8回に分けてUPします。今日が、その第6回です。それではどうぞ。
<以下本文>
経済がデフレだと国全体が停滞します。スポーツも停滞します。オリンピック選手は皆アマチュアで企業に所属していますからね。音楽や美術だってスポンサー企業がなくなれば困ってしまいます。国全体が停滞しますね。
私ごとですが、私は1965年に生まれましたから、大学在学は1984年から1988年までです。つまりバブル全盛期を学生として過ごしました。だからチョット楽しい思いもしました。
しかし、皆さんはどうですか。1991年に「バブル崩壊」が起こり、今年が2013年ですが、この、日本経済が停滞していた20年間を「失われた20年」と言います。そう、皆さんは生まれてから今日まで、まるごと「失われた20年」ですね。
そして、私はさらに警告したいのですが、皆で頑張らないと、20年どころか「失われた100年」になりそうです。特に誰が頑張らないといけないのでしょうか。それは勿論、経営者です。是非頑張っていただきたいと思います。
ここで必要な発想力は、クリエーターさんとか、一部の人に与えられた特殊な才能のように思うかもしれませんが、違います。努力しだいで誰にでも高められる能力です。詳しくお話しする時間はありませんが、次の3つの能力を総合することで生まれてきます。
・知識が豊富なこと。
・その知識を様々に組み合わせられること。
・自分の思考パターンを、偏りがないか、常にチェックしていること。
ですので経営者は、常に広く知識を仕入れるようにしないといけません。今学校で教えられている勉強の中で、あまり役に立たなそうに見えるものもいつどのように役に多立つか分かりません。ある日急に役に立つことがあるのです。大事にしましょう。
さて、この話しも終盤に入って来ています。経営者には、もう一つ、理念・理想に向かって邁進する情熱が必要です。
理念とは、あなたの商品で、この世の中の誰かに喜んでいただこう、ハッピーにしてさしあげよう、という心です。特に世襲で社長になる人には、この気持ちが必要です。
そんなもの要るの?と思った人は、自分が理念・理想がない社長の部下になったと想定してみましょう。私は36歳で社長になりましたが、部下は、半分以上年上でした。その部下にとってボンボン社長の下で働くのは、面白くないですね。
政治の世界をちょっと思い出していただきたいんですが、去年の選挙で総理に成ったアベさんは、元総理の孫ですが、そのアベさんが前回総理だった時の第一次内閣は「お友達内閣」だと批判されました。親しい人ばかり起用したからです。
その次の総理のフクダさんも元総理の息子で、その次のアソウさんも元総理の孫でした、今回副総理になった方ですね。その頃ジミン党は厳しい世襲批判を浴び、景気も悪化したため政権を失い、ミンシュ党に政権が行って、それが今回またジミン党に戻ったわけです。
前回のジミン党の時代を思いおこしてみますと、この中で3人目の麻生さんに対して、在任中多くのマスコミから「庶民感覚がない」とバッシング報道が繰り返し行われました。政治の話しをホテルのバーですることをしつこく批判されたりもしました。
そして皆さんもそうした反世襲の視線を浴びるのは確実です。要するに、ボンボンは恵まれているので、妬まれるんです。そんな中で、皆さんの部下が皆さんについて行くかどうかの分かれ目は、どこにあると思いますか。
<この話しは長いので、引き続き明日もUPします>
追伸①
藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。
他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。
是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は334人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.046日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。