寒の土用
下仁田葱生産者のKG澤さんから葱が届きました。流石の立派さでした。
御礼のメールを送るとすぐに返信が来たのですが、
「只今、勝手に、「寒の土用の丑の日には、下仁田葱を食べましょう」キャンペーン中なので、丑の日にぜひ食べてください。」
ほお、寒の土用に葱です・・か・
たしかに下仁田葱の時期としてはベストです。
下仁田葱は言わずとしれた「殿様葱」。葱業界最強のブランドですが、品質を保つため、12月以降の冬場だけに出荷されます。美味い時期だけに出荷して名声を確保するのです。
冬しか出ないので、一年中葱が必要なすき焼き屋としては困るわけで、それで「ちんや」は千住葱なのですが、それはさておきます。
その、下仁田葱の出荷解禁の頃は、ボジョレー・ヌーボーのように話題になりますが、品質がこの時期にベストかと申しますと、そうではありません。
もっと寒い1月下旬~2月の方がもっと美味い、と育てている御本人達はおっしゃいます。
その時期が寒の土用と合致します。寒の土用すなわち立春の前の18日間です。
なんで土用に葱なんだ って?
そういう野暮なことを仰いますな!
夏の土用の鰻だって、大した根拠はありません。
その昔、商売がうまく行かない鰻屋が、夏に売れない鰻を何とか売るため平賀源内の所に相談に行った。⇒源内は、「本日丑の日」と書いて店先に貼ることを勧めた。すると、その鰻屋は大変繁盛した。⇒その後、他の鰻屋もそれを真似るようになり、土用の丑の日に鰻を食べる風習が定着した、
という説が有力と聞きます。
むしろ鰻は9月の方が美味いと申します。
ですので、カタいことは仰らず、一年中で一番寒いこの時期に美味くて精のつくものを食べましょう。
今年の、寒の土用の丑の日は1/23です。
葱を召しませ。
ついでに牛も。
追伸①
藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。
他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。
是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は334人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.053日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。