編集者の食と酒と

 重金敦之先生から近著『編集者の食と酒と』をいただきました。

 重金敦之先生は以前「三田評論」の3人対談のコーナーでウチの父と、「明治の食卓」というテーマで対談していただいた方です。

 あとがきによれば、今回先生が最も描きたかったのは、編集者と作家の距離(間合い)をどう測るか、ということだそうです。

 「編集者が作家とあまり親しくなるのも考えものだ。作家の内懐に入り込んで、いつのまにか作家の番頭というか秘書のような役割を果たしている多くの編集者も見て来た。同じ出版社のなかでもいろいろな雑誌があるから、流行作家ともなれば、社内で原稿を取り合うといったこともままある。」・・・

 先生は、『池波正太郎劇場』(新潮新書)、『小説仕事人・池波正太郎』(朝日新聞出版)、『食の名文家たち』(文藝春秋)、『すし屋の常識・非常識』(朝日新書)など著書が多数おありなので、「作家先生」という感じがしますが、それ以前は「週刊朝日」のベテラン編集者でした。

 この御本には、編集者として、池波正太郎先生をはじめ多くの作家さんたちと接してきた中で見聞きした、編集者の姿が描かれていて大変興味深く、また編集者からみた作家論・書店論・書籍論も、なるほどそうか、と読めます。

 特に「料理本の世界 簡単、スピードだけで良いのか」という項には、うなずきました。

 刊行元は左右社です。ISBN978-4-903500-62-1 C0095

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて459連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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Filed under: すき焼きフル・トーク,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)