威張りん坊

 四十歳代も半ばになってくると、団体の役職に任命されることが多くなります。私も、ここ2〜3年、ラッシュのように役が増えてきています。

 高齢化社会で寿命が長いと言っても、気力体力を維持して働ける年齢は、やはり今でも限界がありますから、私に役がまわってきた、その分だけ先輩方がリタイアしたのだと思います。

 役がつくということは、どういうことか、と申しますと、下の立場の人間ができる、ということです。そして、下の方達とどのように接するか、ということが、その人のその後の展開を決めるような気がします。

 役がつくと、威張らせてもらえます。

 でも、日本中どこでも威張れるわけではありません。威張れるのは、その団体の中だけです。ところが、実際問題として「内ヅラは威張りん坊で、外ヅラは謙虚」というのは、なかなか難しいようです。いったん自信を持ってしまうと、威張りん坊はどこへ行っても威張ろうとします。勿論、外では歓迎されません。

 歓迎されていないことは、威張りん坊本人も感づきますので、次第に威張れないところへは出入りしないようになっていきます。ご本人は「あそこは自分の実力が理解されない所だ!」と思っているのですが、違いますよね。自分のまわりの、内輪の団体の中で、年を食って序列が上がっただけの話しです。

 結果、どうなるか、と申しますと、威張りん坊は彼を威張らせてくれる、ごく内輪の人間とだけ飲むようになります。

 ここで威張らせてくれる人がいるのが不思議に見えるかもしれませんが、違います。不思議なことではありません。現職の威張りん坊が老いて辞任すれば、現在威張らせてあげている自分が、威張りん坊職の後を襲うことができるから、今は威張らせてあげるのです。簡単な話しです。

 もちろん、そういう流れにのってハッピーな方の人生を否定する気はないです。そういう方は傍目から見ても、充実して見えることが結構多いです。

 ただ私の場合、まだもう少し外の世間の、立場がゼンゼン違う人とも話しをしてみたい、と思っています。

 何故って、店を持って一箇所に居ると、どうしても発想が固定化してしまいます。

 今年のような、前例では対処できない年に、発想が乏しいのは×ですよね。

 例えば、今年の夏は「節電すき焼き」を考え出さないといけません。うまく、良い案がでるでしょうか。ますます世間を広くして、発想を柔軟にしたいと思っています。

追伸①

 5/21の、五県蔵元連合試飲会@浅草の記事が、5/14の毎日新聞の夕刊に出ました。浅草料理飲食業組合の飯田龍生組合長が大きく写っています。

 この記事はこちらでもご覧いただけます。

追伸②

 5/11に私がTV番組「ヒルナンデス」に出たようです。でも放送時間を事前に知らされなかったので、録画し損ねました。とっていた方がいらしたら、お知らせいたただけると、有り難いです。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて441連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

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Filed under: 飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)