おいしい夏休みー親子体験食味学習会③
8/21に、「ちんや」で「おいしい夏休みー親子体験食味学習会」を開催しました。
昨年に続いて2回目の、食育企画ですが、29人の親子にご参加いただき、また地元のヒノデ新聞さんの取材も入って、盛況でした。
まず最初に「強い体づくりと食事」について、シュートボクサーでSカップ2006世界チャンピオンの緒形健一さんにお話しいただきました。
続いて私が「すき焼きを、何でみんなが食べるようになったか、いつから食べているか」を、お子様向けにお話ししました。その後で、すき焼きを食べていただきました。
私の話しをこのブログでも公開しようと思います。長いので、3回(=3日間)に分けて公開しています。今日は、その第三回です。緒形健一さんのお話しも録音してありますので、後日公開します。
<以下、講演台本>
さて、おじさんのやっている、「ちんや」っていう、この店も、そのころにできたお店です。江戸時代には、ペットショップをやっていて、狆(チン)ていう種類の犬を売るお店だったので、それで「ちんや」って言うんですが、明治時代になって、商売の種類を変えました。すき焼きが発明されて、皆が喜んで食べている姿を見て、狆を売るのをやめて、すき焼きを売ることにしたんですね。
それはなんででしょう?その理由の一つは、関所がなくなったことです。明治時代の前の、江戸時代には、日本人は自由に旅行をできませんでした。関所があって、こわいお侍さんが番をしていて、行き先とか、なんで旅行をしているのか、とかを、そのお侍さんに説明しないと、通れなかったですが、明治時代になって、やっと自由に旅行をできるようになったんですね。
それで浅草の観音様をお参りするために、日本中からたくさんの人がやってくるようになりました。さらに、そのうちに蒸気で動く船や鉄道もできて、旅行がすごく便利になりました。だから、お参りの人がどんどん増えたんですね。
旅行してきた人には、泊まるところと、それから食べ物を食べさせてくれるところが必要ですね。そして、どうせ、食べるなら、流行ってる料理、つまり、すき焼を食べてみたい、ってことになったわけです。
そこで、おじさんのご先祖様は、すき焼屋をはじめたらたぶん、うまくいくだろう、って考えたわけです。そういう考え方を「創業家精神」って言います。つまり世の中の流れを見て、見通しを立てて、この商売はうまくいくだろう、って信じたら、チャレンジしてみる、という考え方の人を「創業家精神のある人」って言います。
逆に、うまくいくかどうかわからないから、失敗して損するかもしれないし、やめとこう!っていう考え方の人を「創業家精神のない人」って言います。
おじさんのご先祖が「創業家精神のある人」だったので、ここにこうして、すき焼屋があって、皆さんは、すき焼を食べられるんだって思っていただきたいと思います。はい、これで、皆さんは、いつからこの場所に、すき焼屋があるのか、どうしてあるのか、っていう、そのわけがわかりましたね。
そういうことを、考えながら、すき焼きを食べると楽しいですよね。
それでは、最後にポイントをまとめてみしょう!
① 明治時代になって、法律が変わって牛肉を食べて良い、ということになりました。
② 法律が変わった理由は、お肉を食べて、日本人の体が大きくなるように、っていう理由でした。
③ その時、お肉を食べる、っていう西洋の習慣を採り入れたわけですけど、でも食べ方は、頭の良い人が、日本の昔からの料理の方法を応用して、すき焼きを発明しました。それから、
④ その発明された料理(=すき焼き)を使って商売をしてみよう、っていうおじさんのご先祖様のような、「創業家精神のある人」がでてきました。
この4つがそろって初めて、皆さんが今いる、すき焼屋さんができた、っていうのがポイントです。
どうです? 勉強になったでしょう! オトナの諸君。
(私の話しは、これで終わりです。明日は王者・緒形健一さんの話しをUPします。)
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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