肉食女子、草食男子
関西の大学にお勤めの、S先生がゼミの学生20人を引き連れて来店されました。ゼミの東京旅行の、打ち上げ宴会だそうです。
S先生の、ゼミの学生さんには、ここ数年、毎年この時期にお越しいただいています。
S先生は、東京のご出身で、実は私の先輩です。
私が現役の学生の時、S先生はまだ大学院生で、同じ指導教授に師事していたので、私達・現役のゼミにも毎回出席されていました。だから、先生と言っても、年の近い先輩です。
その後私は卒業し、S先生は関西へ移られて、お会いする機会は、一時減ったのですが、そんなある日、店の玄関に立っていると、先生が歩いて近づいて来られました。
あ、Sさんじゃないですか、お久しぶりです。浅草に何か御用でも?
「ああ、住吉君、なんて丁度良いんだ、電話しようと思ってたんだよ。実は、ゼミの学生の東京旅行でね、浅草で何か食べさせよう、と考えてたんだ!」
学生の時は知らなかったのですが、S先生は、本業の御研究とは別に、「食」に興味を持たれて、随分たくさんの本を読まれているらしいのです。専門家でもないのに、食品添加物のことなど、やたらとお詳しいのでビックリしたことがあります。
「なにしろ、学生がヘンな物ばっかり食べるんだ。それに、味覚もゼッタイ変だよ。たまには、ちゃんとした物を食べさせないと、ヤバいと思うよ、ホントに。是非、オタクに頼むから、よろしくお願いします。」
思いまするに、「食」の領域には、その人の価値観が表れます。
安くて便利に腹を満たせれば、それでOKという人=経済性至上主義の方が多数いる一方で、S先生のように、市場競争社会の中でも、多様な価値観が表現された商品が生き残るべきだ、と考えておいでの方もいます。
そういう意味で、「食」は研究領域として一番面白いかもしれません。S先生が興味を持たれたのは、そういう辺りだろう、と私は思っています。学生さんにも、おわかりいただければ深甚です。
そんな次第で、ここ数年、学生さんたちをお引き受けしていますが、そんな中で、気づいたことが・・・
ゼミの中で、女子学生の割合が多い年は、宴会が賑やかで(=騒々しくて)、男子の割合が多い年は、大人しい(!)ような気が・・・
大人しい年は、学生の宴会というより、お食事会のような風情です。
酒を飲まない男子も、最近少なくないんだとか。
アリ得んテイー!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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