地域資源
「滋賀県の取り組みに生産地・近江八幡市が、待った!」
というニュースが流れましたが、皆さん理解できていますか?
「近江牛を生産していない市町でも、ふるさと納税の返礼品にできるよう、滋賀県が「地域資源」に認定したことについて、近江牛の生産地・近江八幡市が不当だとして、国に審査を求めています」
って、意味分かりますか?とても分かりづらいですよね。
これを理解するには「平成31年総務省告示第179号第5条第8号」を理解する必要があります。
この告示は「地域資源が豊富ではない市町村への配慮」として出されたものです。
「県内の複数の市町村において地域資源として相当程度認識されているもの」であれば、その商品を生産していない市町村であっても、ふるさと納税に使って良いというのが、この告示です。そう認識されているかは、県庁が認定します。
これにより滋賀県が、「近江牛」は県内の全市町村について「地域資源」だと認定すれば、実際には牛を生産していない市町村であっても、「近江牛」を使ってふるさと納税をして良いということになります。
そんな馬鹿な!とお思いでしょうが、「地域資源が豊富ではない」つまり目立ったブランド産品のない市町村への「配慮」として出された、この告示により可能になるのです。馬鹿げていますが、こういう告示が出ているのです。
例えば、宮城県は「仙台味噌」を県内全市町村について「地域資源」だと認定しており、「仙台味噌」なのに仙台市以外の市町村が売れるのです。実際に生産していなくても。
で、滋賀県も同じことをしようとしたら、牛肉の生産量が多い近江八幡市からクレームが出たという次第です。
実は、滋賀県全体で牛肉の生産が盛んなわけではないです。盛んなのは近江八幡市を中心にした県南東部。それ以外の市町村は生産が少なかったり、生産していなかったりするのに、「近江牛」ブランドにあやかることだけはしたいのです。
まったく変です。
そして詐欺的ですらあります。消費者は、ふるさと納税サイトで売られていれば、その村でその商品が生産されていると信じますよね。それが、そうでないなんて。
「近江牛」の一件は、注目されて良い一件と思います。
本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.100本目の投稿でした。