六月暴動

コロナ漬けの今月がようやく終わりますが、良い話しもありました。
弊店の取引先である、合羽橋道具街「竹むら漆器店」の竹村孔伸さんが「旭日単光章」を受章されました。誠にお芽出とうございます。心よりお祝い申し上げます。
さて最近うらやましいと思ったのは、歌が歌える方々。
日本のミュージカル界のスターたちがネットの動画で「民衆の歌」を歌い、国民の団結を呼び掛けています。感動的な歌声です。
すき焼きの動画も流せないことはないのですが、こういう感動は起こせないでしょうね。正直、うらやましさが先に立ってしまいましたね。
ついでに申しますと、ケチをつけるわけではないですが、この歌の元々の趣旨と今回の使われ方には少しズレがあります。動画を視ている人がそれを知っているのか、私は少し気になってしまいました。
ご存知の方も多いと思いますので「念のため」ですが、この歌はヴィクトル・ユゴー原作のミュージカル『レ・ミゼラブル』の中で共和派の民衆が歌う革命歌です。
フランスの七月王政(1830年~1848年)に対して起こされた、1832年の革命(「六月暴動」)は敗北に終わったので、歴史では「暴動」と呼ばれています。
で、この事件が起きた原因の一つにコレラがありました。
この年パリでコレラが蔓延し、民衆の生活が悪化したので不満が溜まって来ました。共和派が革命のタイミングをはかる内に、王政の宰相ペリエがコレラで亡くなったので、そのタイミングで蜂起したのが、この事件でした。革命は失敗し1848年まで王政が続きました。
歌詞の中で「屍を越えて行け」とか「多くの血潮が流れても」とか言っているのは、この歌が革命家であって、家に籠る歌ではないからですね。
今回の動画を、国民全体に向けたものではなくて、医療従事者への応援歌と解釈する人もいるようですが、そういう方々に屍に成っていただくわけにはいかないので、その解釈に私は賛同しかねます。
要するに、
伝染病蔓延→政権への不満→革命だ!→弾圧されちまった
というのが、元々なので、そこはわざと無視して、純粋に歌唱の素晴らしさに酔うのがよろしいかと思います。
歌える方々は素晴らしい。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.715本目の投稿でした。引き続きご愛読を。

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)