天晴れな甘さ

またまた元日に放送された「東京ミラクル」の件なんですが、あの番組には、私の旧知のご主人が何人も出ておられました。
弁当の日本橋弁松総本店さんもそうです。ご創業は1850年。
現代人で砂糖が高価と思っている人はほとんどいないと思いますが、江戸時代はまだ砂糖が高価でした。日本は日清戦争で勝って台湾を獲得するまで、砂糖を自給できなかったからです。明治時代になって甘いすき焼きが好まれたのも、それが高価=豪勢な感じがしたからです。
江戸っ子の中には散財自慢の一種として、見栄を張って、料理屋や弁当屋に甘い味付けで作らせることさえあったそうです。
下町で今でも濃い味付けが好まれる理由は、これです。
で、弁松さんですが、今もその味をしっかり受け継いでいて、健康志向・薄味ブームのトレンドに抗っておいでです。
昨今では「味付けがおかしい」と客からクレームがくることさえあると言います。しかし八代目の樋口純一さんは「味が濃いのも理由がある。今の風潮だからといって薄味にしてしまうと弁松の味ではなくなってしまう。一切変えるつもりはないです」と番組でキッパリ言っていました。
うむ、天晴れ!!
あ、間違えた、それは日曜の朝のスポーツコーナーのセリフだった・・・

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30・10運動

昨年「食品ロス削減推進法」が施行され、いよいよフードロス削減が国民的課題になってきました。
当然飲食店も取り組まないといけませんが、厄介なのは宴会の食べ残しです。
宴会の食べ残しについては、30・10運動(さんまるいちまる運動)が知られています。
まず乾杯から最初の30分間は席について料理を楽しむ。そしてお開き前の10分間は自分の席に戻って料理を残さず食べようというものです。宴会になると、席を離れてお酒をついだりつがれたりということがよくありますよね。その結果、手をつけられないままの大量の食べ残しが出てしまう、それを防ごうというものです。
2011年に松本市で始まったと言われています。
各地の自治体が呼びかけてはいるようですが、民間ではあまり聞きません。それだけ難しいということだと思います。
弊店でも残念ながらデザートの食べ残しが多いですね。幹事さんがデザートの存在自体を忘れてしまっていることが多いからです。その宴会を何時に終えたいのか、明確なイメージのない幹事さんが多く、成り行きまかせのことが少なくないです。
会の中の長老さんがだんだん疲れてきて、おい、もう、そろそろ終わろうよ!と言いだして、それで急に、
宴もたけなわですが・・・
となります。
店の側としてはデザートを出したばかり、場合によっては、まだ出していない(!)内に急に「たけなわ」ですから、フードロスは減らないわけです。
それ以前に、宴会で食事をすることより人脈づくり・名刺交換の為に来ている人もいます。そういう方にとっては、正直食事は興味がないことです。(30+10)分間も席についていろというのは営業妨害でしかないですね。
まずは料理業界、食品業界の宴会から改善を始めるべきですが、結構、難題だと思っています。

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明日は大寒

明日は大寒です。
「ちんや」売店では今年も「大寒卵」を販売致します。予約受付期間は終了していますが、残数も少しあることから、24日から店頭売り(フリー販売)を致します。どうぞお求め下さいませ。
来年の「大寒」は1月20日です。風水は、大寒の日に産まれた卵を食べることを勧めているとかで、それを「大寒卵」と言うそうです。
これを、あながち迷信と片づけない方が良いと思います。 寒い時期に産まれた卵は栄養価が高いからです。 大寒は一年で最も寒さが厳しくなる頃です。鶏はその寒さで本能的に産卵数が少なくなりますので、その中でも産まれた卵は、必然的に栄養価が高まります。
寒い所の卵が良いわけですから、特に寒い所=日本海の風雪を浴びるような所で鶏を育てている養鶏場から卵を取り寄せることにしました。 その養鶏場は、新潟県村上市の「オークリッチ」さん。
ご期待下さい。

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受賞企業紹介番組

弊社が台東区役所から「したまちTAITO産業賞」をいただいたことは既にお報せしましたが、ありがたいことに、明日J:COM11チャンネル(旧台東ケーブルTV)で、その告知番組(受賞企業紹介)を流して下さるようです。契約している区民の皆様はどうぞ、ご覧ください。
私のインタビューや料理、店内の様子などが放送されます。
放送時間は、9:20~、13:20~、17:20~、21:20~の4回。
またパネル展示もして下さるようで、ますます区役所さん、サービスが良いです。雷門前の「浅草文化観光センター」において、2月14日(金)から28日(金)までの期間。
誠にありがとうございます。

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寺子屋

浅草公会堂で上演されている「新春浅草歌舞伎」を拝見しました。弊社は以前から広告協賛をさせていただいています。
正月は各地で歌舞伎が上演されていますが、浅草は若手役者中心のメンバーで「登竜門」と位置づけられています。
座長は尾上松也さん。
中村歌昇さん、坂東巳之助さん、坂東新悟さん、中村米吉さん、中村隼人さん、中村橋之助さん。
ベテランの中村錦之助さんが所謂「上置き」といして加わっています。
例年演目は古典的で有名な演目が多いですが、一部の「菅原伝授手習鑑」の寺子屋の場面でした。
歌舞伎を観て毎回思うのですが、この世界の若い方たちが、現代生活からは全く体験も想像もできないことを演技できることに驚きます。
寺子屋は、自分が恩義を感じている人の息子さんの命を守るために自分の子の命を差し出すという筋で、役者はその心を演じないといけません。周囲の人物もそれぞれ、その心を演じるわけで大変なことです。
同一演目が演じ続けられているので、演じた経験がある先輩から学べるわけですが、それにしても大変なことです。
毎回感心すると同時に、世の中の他の業界でも参考にしたいものだと思います。

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ちなみに予約

会話中に「とりあえず」を乱発する人は困りますが、「ちなみに」を乱発する人も困ります。
そして意外なことに、「ちなみに」を乱発する方は、たいてい、いい加減な話し方の人ではなく、お仕事が出来そうな、キチンとした話し方の人です。
おそらくビジネスの現場で「ちなみに」を多用しているのだろうと想像できます。
試しにネットで調べてみたら、「ちなみに」という言葉について、
「ちなみに」は敬語ではありませんが、上司や目上の人と話す際に使っても、失礼ではない言葉です。あまり使い過ぎては回りくどい印象を与えてしまいますが、話題を繋ぐ際に時折使う程度であれば、敬語と一緒に使っても問題ありません」
と書かれてします。そして使用例は、
・ちなみに、こちらがおすすめの商品でございます。
・ちなみに、こちらの商品の入荷は〇月〇日頃となります。
ははあ。
予約電話の主は、この話法を使っていたのか。それで、
・ちなみに来週の日曜の昼12時に2名の予約は取れますか?
と仰るのですねえ。
「ちなみに」がクッション言葉になって丁寧感は出ているかもしれません。
が、私には変な感じがします。だって「ちなみに」は、本題と関係があるものの本筋ではない話し、おまけの話しを付け加える時に使う言葉ですよね。
だから店に電話をかけて、
予約をお願いしたいのですが(本題)
に続けて、
ちなみに来週の日曜の昼12時に2名の予約は取れますか?(これも本題)
というのは変かと。
私の元々の知人が電話をかけてきて、ひとしきり最近は忙しいの?などと話しをした後に、
ちなみに来週の日曜の昼12時に2名の予約は取れますか?
と言うのなら、筋が逸れていますから、これは字義通りですが、予約が本題の電話で、「ちなみに予約」は変です、ぜったい。
お仕事が出来そうな、キチンとした話し方の人に限って、「ちなみに」を変な風に使うような気がします。
どこの会社が流行らせたんでしょう。

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日本人です

<浅草インバウンドあるある>
店の玄関に立っていた時アジア系のカップルが二本指を突き出しながら入って来たので、
Dinner for two?
と尋ねたら、
日本人ですけど!
だって。日本人なら、
二名入れますか?
とか言えば良いのに。

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閉店劇

そのニュースを聞いた時、私は
ええー?!
と思いましたが、商業界では既に不振原因があれこれ分析されていたようです。
不振だった商業施設とは浅草六区の「まるごとにっぽん」です。2020年11月で営業を終了するとの発表がありました。
「まるごとにっぽん」は「クールジャパンの店」の代表格でした。
2015年12月に開業、全国各地の銘店や市町村のPRスペースがテナントとして入る商業施設で、「毎日が物産展」とも称していました。私が観てまわった限りでも、意欲的な店が出ていたように思います。
日本の良いモノを浅草に来ているインバウンド客に売るということで、まさにトレンディでしたので、開業当初はメディアにだいぶ採り上げられました。当時は来館者も多かったと記憶しています。
しかし、
5年もたずにあえなく「営業継続は困難」と判断されてしまったそうです。
ジャパンはクールなんだからインバウンド客は大喜びで買うだろう。
・・・というのは見込みではなく願望に過ぎなかったのかもしれません。
クール!と言われて売れているのは「各地の逸品」より、ラーメンや回転寿司、メロンパン、メンチカツなどの「普通の日本」のような気もします。
なんとも考えさせられる閉店劇です。

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食べきり推奨店

昨年「食品ロス削減推進法」が施行され、いよいよフードロス削減が国民的課題になってきました。
弊社も2018年8月から、直営レストラン「ちんや亭」を、肉の「食べくらべレストラン」として再出発させました。全ての肉メニューに「ちょい食べサイズ」(ハーフサイズのこと)をご用意することに致しております。そんなことで調べておりましたら、浅草の隣の墨田区には、
「墨田区食べきり推奨店」
を登録して、区のサイトで公表する制度があるそうです。
どうすれば、そこに載せてもらえるかというと、
以下の取組項目のうち、1つ以上を実践している店です。
・ごはん、料理等の量その他食材の調節に対応
・食べ残しを削減するための働きかけ
・ばら売り、量り売り等による食料品の提供
・閉店時間、賞味期限間近等による割引販売
・食べ残し等の削減に向けた啓発活動の実施
・食品リサイクルの実施
・その他食べ残し等の削減に向けた取組
推奨店リストを見て行くと、「すきや連」に来て下さる「やまだいら」さん(墨田区八広)も載っていますね。
わが「ちんや亭」は、上の項目の一番目に当たりますから、所在地が墨田区であれば登録できそうですが、残念ながらここは台東区なので、そういう制度は今のところないです。
全国的にも「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」という、こうした運動に熱心な自治体の協議体があるようですから、台東区も推進していただけたらなあと思っております。

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適サシ肉3年

毎年1月15日は「適サシ肉の日」です。
2017年に私が「適サシ肉宣言」をした1月15日が「適サシ肉の日」として日本記念日協会さんから認定されています。協会による「制定の由来」は以下の通りです。
「2017年1 月15日に、東京浅草の老舗すき焼き店「ちんや」の六代目当主・住吉史彦が、自店で過剰な霜降肉(A5等級)を使うことを止め、「適サシ肉」すわなち適度な霜降の入った肉だけを使うと宣言した。本件は各種メデイアやインターネットで大きな反響を呼び、「A5信仰が終焉した日」として日本の食肉業界・飲食業界に記憶された。なお「適サシ肉」という言葉は住吉による造語で、株式会社ちんやは後にこの言葉を商標として登録した。」
今年は、そこから3年。「適サシ」という言葉もだいぶ定着してきましたが、もう一段知っていただくための宣伝をしたいと思っています。
で、「適サシ肉」のロゴをデザインしたマグネットを製作しました。色はもちろん小豆色です。
今年のこの日に「ちんや」座敷に上がっていただいた方には、このマグネットを差し上げますので、ご自宅の冷蔵庫などに貼り付けていただければと思います。
15日にご都合が悪くて浅草へ来られない方も、ちんやメンバーズカードに入会していただいたら、このマグネットを差し上げておりますので、どうぞ、ご来店下さいませ。

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