ざるいぬ

元日の放送の、
NHKスペシャル「東京ミラクル」第4集 老舗ワンダーランドー佐藤健・物々交換の旅
に出演させていただきました。
この番組は、タイトルどおり佐藤健さんが「物々交換の旅」をするという演出です。
東京の老舗店に行き、その店を象徴する品物を手に入れ、それを持って次の老舗に行き、前の店から持って来た品と交換するという段取りです。
局の人から
普通の老舗紹介番組にはしたくないので・・・
と言われ、なるほど結構と私は思いました。
収録当日、佐藤健さんが何を持って来るかは予告されず「ドッキリ」だったのですが、私は見た瞬間それが何か分かってしまい、
ああ、「ざるいね」ですねー!
と言ったので佐藤さんは拍子抜けしたようでした。
私がいただいたのは、仲見世の「助六」さんの「ざるいぬ」でした。
「助六」のご主人には、拙著『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』に対談相手として登場していただいたので存じ上げているのです。
さて、その「ざるいぬ」または「笊かぶり犬」ですが、それは江戸時代から続く、犬を模した小さな玩具です。笊をかぶっています。
竹かんむりに犬が「笑」であることから、この犬は笑→福を招くとされているのです。
このように江戸の玩具は、それを使って何かのプレイをするというよりは、言葉遊びを採り入れた「縁起もの」という感覚の品が多いです。
それが江戸趣味だというのが「助六」のご主人の論で、この番組でも自分の店を象徴する品として登場させたという次第です。
私は「適サシ」の肉を折り詰めにして、次の店へと佐藤さんに託しました。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は3.599本目の投稿でした。本年3月1日まで無事連載が続けば10周年になる予定です。引き続きご愛読を。

Filed under: 今日のお客様,浅草インサイダー情報 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)