第89回

台東三田会の新年会が浅草の「三定」さんで開催され、伝統の天婦羅を美味しく頂戴しましたが、この日、慶應大ボート部の現役部員君がやって来て、春の「早慶レガッタ」の告知をしていました。
「早慶レガッタ」は、隅田川で行われる早慶二校ボート部の対抗レースで、1905年(明治38年)に第1回が開催されて以来100年を超える歴史があります。
今年は第89回が4月12日(日)に開催されます。
歴史が100年あるのに回数が89回なのは中断していた時期があるからで、戦争による中断と、戦後は河川の汚れで、他の場所で開催された時期がありました。
私個人の記憶でも隅田川の最初の記憶は、「臭い場所」でした。1965年はまだ日本の高度成長期で、環境よりも経済成長が優先される風潮でした。やがて隅田川浄化の努力が実を結び、1978年(昭和53年)にレガッタは隅田川に戻ってきました。だからレガッタの実の功労者は河川浄化に関わった人達だと言えます。
このレースは台東区内で行われる義塾の数少ない行事であり、河川を二校だけで使う点が、他に例がないところです。
早慶戦は野球やラグビーが有名でボートより人気がありますが、野球もラグビーも「六大学リーグ」「対抗戦グループ」といったリーグ戦の一環で行われるもので、会場も他の学校と変わりません。しかし「早慶レガッタ」は早慶二校で隅田川を使うという点がまったく違います。
隅田川は一級河川で、以前ほどでないとは言え、水上観光船や物資の往来もありますから簡単にそれを封鎖することは出来ず、「早慶」は100年の歴史があるため例外的に使わせてもらっているのです。
同窓の皆さん、4月12日(日)は春の風情も感じていただけることですし、是非隅田川へお出かけ下さい。また寄付のお志しがおありの方は、私がボート部へ取り次ぎますから、お申し出ください。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は3.621本目の投稿でした。3月1日まで無事連載が続けば10周年になる予定です。引き続きご愛読を。

Filed under: 憧れの明治時代,浅草インサイダー情報 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)