MOTTAINAI
このところ食品ロス削減の件を考えていますが、そんな中で
「食べものに、MOTTAINAIを、もういちど」
というチラシを見つけました。「食品ロス削減国民運動」のチラシでした。
MOTTAINAIと言いだしたのは、もちろんノーベル平和賞のワンガリ・マータイさんですね。
英語には浪費的ということを意味するwastefulという言葉があるものの、そこには自然や物に対する敬意、愛などの意味が込められていない為、マータイさんは日本で知った「もったいない」という言葉に感激したと聞きます。それでMOTTAINAIを提唱したとか。
私がここで驚くのは「もったい」という言葉の真意をマータイさんに正しく解説した日本人がいたことです。「もったい」は漢字で書けば「勿体」。その「勿体」の真意を日本人の、どの位が正しく理解しているでしょうか。
「勿体」は、そもそも仏教用語で、物や人の品位や品格を言う言葉だそうです。物に品格を認めるのですから難しいですね。日常生活では「もったいない」以外にはほとんど使わず、たまに時代劇で武士が主君から褒められた時に、
「もったいのうございます」
と言うのを聞く位ですね。難しいのに説明できたのは、マータイさんに解説した日本人が時代劇ファンだったからでしょうか。
食べ物は、元々が生き物ですから、いろいろな物の中では品位や品格を感じ易い物と言えるかもしれません。しかし、その食べ物も、生産者と最終消費者は長い流通経路の端と端に位置して、お互いが見えづらくなっています。肉も、切り身になってパックにのっている姿から元の牛さんは全くイメージできません。
食べ物の「勿体」を感じるには、元々の姿に触れるのが近道ですが、さて現代人にできることやら。
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弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は3.623本目の投稿でした。3月1日まで無事連載が続けば10周年になる予定です。引き続きご愛読を。