ちなみに予約
会話中に「とりあえず」を乱発する人は困りますが、「ちなみに」を乱発する人も困ります。
そして意外なことに、「ちなみに」を乱発する方は、たいてい、いい加減な話し方の人ではなく、お仕事が出来そうな、キチンとした話し方の人です。
おそらくビジネスの現場で「ちなみに」を多用しているのだろうと想像できます。
試しにネットで調べてみたら、「ちなみに」という言葉について、
「ちなみに」は敬語ではありませんが、上司や目上の人と話す際に使っても、失礼ではない言葉です。あまり使い過ぎては回りくどい印象を与えてしまいますが、話題を繋ぐ際に時折使う程度であれば、敬語と一緒に使っても問題ありません」
と書かれてします。そして使用例は、
・ちなみに、こちらがおすすめの商品でございます。
・ちなみに、こちらの商品の入荷は〇月〇日頃となります。
ははあ。
予約電話の主は、この話法を使っていたのか。それで、
・ちなみに来週の日曜の昼12時に2名の予約は取れますか?
と仰るのですねえ。
「ちなみに」がクッション言葉になって丁寧感は出ているかもしれません。
が、私には変な感じがします。だって「ちなみに」は、本題と関係があるものの本筋ではない話し、おまけの話しを付け加える時に使う言葉ですよね。
だから店に電話をかけて、
予約をお願いしたいのですが(本題)
に続けて、
ちなみに来週の日曜の昼12時に2名の予約は取れますか?(これも本題)
というのは変かと。
私の元々の知人が電話をかけてきて、ひとしきり最近は忙しいの?などと話しをした後に、
ちなみに来週の日曜の昼12時に2名の予約は取れますか?
と言うのなら、筋が逸れていますから、これは字義通りですが、予約が本題の電話で、「ちなみに予約」は変です、ぜったい。
お仕事が出来そうな、キチンとした話し方の人に限って、「ちなみに」を変な風に使うような気がします。
どこの会社が流行らせたんでしょう。
本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は3.610本目の投稿でした。本年3月1日まで無事連載が続けば10周年になる予定です。引き続きご愛読を。
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