1円ライター
基本的に毎日一回、その日のニュースに「すき焼き」と入れて検索をかけています。現代人が、すき焼きをどのように考えているか、知りたいからです。
そうすると、見つかります、見つかります、いい加減な記事が。 こんな記事を、いったい誰が書いているのか!と思いますが、たいていは無記名。 責任を回避するかのように、語尾を「・・・と言う人もいる」「・・・という説もある」などと誤魔化しているケースも目立ちます。
まあ、食べ物のことだから、多少いい加減なことを書いても重大事件には結びつかないだろう、それで記事が低レベルなのだと思っていました。 しかし、違うのですね。
WELQ事件で明らかになったように、医療問題ですら、いい加減ライターによる、いい加減な記事が罷り通っていたのです。
ライターさんの報酬は1文字1円以下なので、「1円ライター」と言われているとか。
その仕事の内容は、質の良い記事を書くことではなく、SEOで人気のキーワードを適当に文章の中に散りばめること。「肩こり 霊」という検索が多かったから、肩こりと霊に関する記事を書いたまでだったのですが、さすがにまずかったですねえ、あれは。
この調子では、食べ物のことなんかテキトーに書くわけです。
そして今回、もう一つ分かったことは、ライターさんの状況。
・ライターさんは、例えば、1歳児の子育てをしている主婦
・ライティング業務は1文字1円以下だが、タイピングが速ければコンビニやスーパーのバイトより時給はマシ
・熱を出した子供の面倒を見るために業務を休んでも誰もが怒らずに肩代わりしてくれる
・PC操作にうとくても分かるまで発注者側が親切に教えてくれる
・だからここは子育て中の主婦でも働ける夢のような職場である
根本的な問題は、子育て中の主婦が働ける場所がないということだったのです。そして、それを搾取する、倫理観なきIT企業。
私も叫びたくなってきました、
日本死ね。
追伸① 今年も「ミシュランガイド東京2017」に載せていただきました。 3年連続掲載です。ありがとうございます。
追伸② 拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』
浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。
東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。
四六判240頁
価格:本体1600円+税
978-4-7949-6920-0 C0095
2016年2月25日発売
株式会社晶文社 刊行
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.490連続更新を達成しました。