バルトの楽園

昨日の「日本食肉加工情報」の件の続編です。

日本の食肉加工の黎明期に「ちんや」がお役にたっていたのが嬉しくて、この件をFBにUPしましたら、知人から、このような投稿↓が入りました。

「私が今住んでいる習志野市には、習志野ソーセージなるものがあるらしいです。第一次大戦の折、ドイツ人捕虜収容所があったそうで、そこに収容されていた人から習ったそうです。「バルトの楽園」は、習志野にもあったそうですよー。ちんやさんとは関係なくてスミマセン」

いえいえ、多少の関係は在りますよ。

弊ブログの2014629に書きました通り、この戦争中、浅草本願寺にも捕虜収容所が置かれました。収容所当局は意外に良心的で、兵の栄養状態に気を遣ったらしく、旨い肉を調達しようと努めました。

で、その肉を提供したのが、浅草広小路の「ちんや」だった、という次第です。この収入が弊社の社業を発展させたことは申すまでもありません。

ドイツ人に接して、弊社は残念ながらハム・ソーを創めませんでしたが、創めた人があちこちにいて、「習志野ソーセージ」もその一つです。習志野に伝えたのは、チンタオの戦いで捕虜になったカール・ヤーンという人でした。

そして、もっと有名なドイツ人として、アウグスト・ローマイヤーがいました。

ローマイヤーもやはりチンタオで捕虜になり、解放後帝国ホテルに入りました。やがて銀座に「ローマイヤー」という店を出し、その店の後身が今でも日本橋に在ります。

このように第一次大戦のドイツ人捕虜は、日本のハム・ソー産業に大きな影響を与えました。昨日のブログに登場した畜産試験場系のハム・ソーと並ぶ、日本のハム・ソー産業の源流の一つがドイツ捕虜系のハム・ソーなのです。

ベートーベンの「第九」を日本で初演したのが、ドイツ人捕虜であったことは、映画『バルトの楽園』に成ったので有名な話しですが、ハム・ソーについても、もっと知られて良いかもしれません。

では、〆に一曲歌いましょう、

Freude, schöner Götterfunken, Tochter aus Elysium

Wir betreten feuertrunken. Himmlische, dein Heiligtum!

追伸①

CSフジテレビONE

『寺門ジモンの肉専門チャンネル』に出演させていただきます。

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追伸②

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978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.419連続更新を達成しました。

 

Filed under: すき焼きフル・トーク,憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)