ニッポン観光の影③

昨日・一昨日に続いて、読売新聞さんが9/20から連載を開始した、「ニッポン観光の影」という特集の件です。

2日間で既に、中国系インバウンド観光業は現状ではまともな商環境ではない、まともな市場ではないということが、お分かりいただけたと思いますが、今日は3日目ですので、その現状が今後どうなるか、です。

結論から申しますと、悪くなりそうです。

理由は規制緩和です。

読売新聞の9/23号に書いてありました通り、「通訳案内士」の資格がなくても、有償でガイドを出来るようになるのです。民泊緩和に続く、とほほ緩和の第二弾の申せましょう。

成長するためには規制緩和するしかない、っていうのは神託なんでしょうか。衛生とか交通とか、そういう分野での規制緩和はやりにくいけど、その点観光なら緩くしても、まあ、平気だろーっていう感じなんでしょうか。

たしかに現状の「通訳案内士」の試験は難し過ぎるかもしれません。私も本屋さんでテキストを見ましたが、

ひえー、こんなにたくさん覚えることがあるのかあ!

と思いました。

で、結局どうなっているかと申しますと、9/23号を引用すれば、中国人ガイドはこの資格を無視していて、

「大阪城では、徳川家康が建てたと説明していた」

ということになっています。こういう人と、試験を通った人とで二極化が起きてしまっているのです。

私は、今時の観光をめぐる情勢が腹立たしくて仕方ありません。

勉強熱心で、倫理観の高い人が恵まれる経済を創らないといけません。中国人でも、そういう方はいると思いますけど。

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株式会社晶文社 刊行

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.410連続更新を達成しました。

 

 

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)