私の浅草②

編集者をしている知人が、

『私の浅草』の新版を出しました!

と言ってきましたので、読んでいます。

『私の浅草』についての説明は、弊ブログの6/24号をお読みいただくとして、今日は『私の浅草』に出てくる戦前の浅草の洋食屋の様子について、です。

「春のお彼岸」によれば、

沢村家の墓参りの後の「精進おとし」は決まって洋食で、子供の「おていちゃん」は、それがとっても楽しみだったと言います。

お寺は中野でしたが、「宮戸座」の座つき作家だった父が、「浅草以外のたべもの屋には入らない」ため、浅草へ戻って来てから、「比良恵軒」という店に行くのが恒例だったとか。今は無い店です。

沢村家では「てんやもの」の洋食を取ることがたまにあって、父や兄はそれを食べていたのに、女はその数に入れてもらっていなかったので、洋食を食べるのは、こういう場合だけ。

おていちゃんは、トンカツを食べては、

「世界中どこに行っても、こんなにおいしい洋食はないに決まっている」

「早くまた次のお彼岸がくればいいのに・・・」

と思っていたそうです。

「洋食」が日本でフランスの料理であることから抜け出して、既に下町の庶民の食べ物に成っていたことが分かります。

巻末エッセイは千社札が有名な橘右之吉さん。

是非ご購読を。

平凡社ライブラリー841

ISBN9784582768411

 

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題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240

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978-4-7949-6920-0 C0095

2016225日発売

株式会社晶文社 刊行

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.311連続更新を達成しました。

Filed under: 憧れの明治時代,浅草インサイダー情報 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)