今昔すき焼き噺③

雑誌『味覚春秋』の6月号(通巻519号)に向笠千恵子先生が、

「今昔すき焼き噺―浅草ちんや会長・住吉滋夫さん」と題して私の父のことを書いて下さいました。誠にありがとうございます。

発売直後の原稿ですので、ここに全文転載するわけには行きませんが、一部をここに載せまして、最後まで読みたい方は『味覚春秋』をお買い上げいただければ、と存じます。では、どうぞ。今日は、その3回目です。

<以下転載、昨日から続く>

・・・なかでも「ちんや」は、二人前の注文につき一人前は鍋盛り、もう一人分は皿盛りにしたのが喜ばれ、肉はロースと称する上と、並だけというシンプルな品書をもうけた。夏は煮上げたすき焼きの皿盛りを「あおり」と称して提供したそうな。なお、現在は「ざく」と呼ぶ長ねぎ、白滝、焼き豆腐などは「ごちゃ」といい、「ざく」はねぎだけを指した言葉である。

「でも、今は冷凍技術と電動スライサーなどの機械の発達、処理の分業化、労働時間短縮などで先人が磨いた精肉技術は片隅に押しやられて絶滅寸前です」

そんな時代ながら、「ちんや」は五代目みずから指導した肉職人を擁している。肉は信頼のおける問屋から仕入れ、松阪牛も早い時代から扱っている。また、枝肉が大型化した中で、大きすぎない牛が「ちんや」好み。

「大きいものは肉の肌理が粗く、味も感心しません。昭和30年代は芝浦市場内に肉を預かる「牛宿」屋があり、そこでうちに向く牛を見極めていました。」

最後に五代目はこうしめくくった・・・

<・・・この続きを読みたい方は『味覚春秋』519号をご購入願います(03-5786-7506)>

追伸、

拙著が発売になりました。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

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