和牛を食す③
慶應義塾の広報誌『三田評論』の10月号に出演させていただきました。
『三田評論』には毎月「三人閑談」といって、三人の卒業生が対談するコーナーがあるのですが、今月のテーマが
「和牛を食す」で、そこに入れていただいた次第です。光栄なことでした。
以下↓は『三田評論』に載った文そのものではないですが、対談の準備のために書いたものですので、是非お読み下さい。
<やや長いので、10/8から四日間に分けてUPしています>
かたくない脂=不飽和脂肪酸を多く含んでいる肉は、普通の人にとっても食べ易い肉です。
とりわけ、箸で肉を生食する場合に、かたくない脂=不飽和脂肪酸を多く含んでいる肉は食べ易いです。
ここからはもう、和食のもう一つの特徴である「箸で生食する」話しに入っています。
日本人は、魚の刺身は勿論のこと、卵も生食し、肉すらも生食して来ました。『安愚楽鍋』(1871年~72年)にも「生で食べるのザンスから薄く切ったのをわさび醤油を付けてサアはやく」という注文が出来たと書いてあります。
貴重な食材であれば、とにかく生食したがる日本人。不思議ですね。
本当は、肉も卵も魚も生食したら危険です。現代では冷蔵技術その他で、ある程度生食を実現していますが、それでも肉の生食は気をつけた方が良いと思います。
そんな危険なことを日本人は何故やるのか?!
とてつもなくグルメなのか。
災害大国で常に危険に曝されているから、食中毒くらい危険と思わないのか。
おっと脱線しましたが、ともかく日本人は生食が好きで、その際に食材が箸でちぎれないといけません。
で、和牛肉は生で、箸でちぎることができたのです。
その理由の一つは、上に書きました通り、かたくない脂を多く含んでいるからです。脂、とりわけ柔らかい脂が乗ることは食べ易さの点で大切なことです。
そしてさらには、和牛肉は筋線維(肉の赤身の部分)そのものが柔らかくて、軽く咀嚼するだけで細かくなって、口の中で変形し易く、飲み込み易い、要するに、食べ易い肉です。
だから和牛肉は箸で生食できたのです。
現在では、牛肉を生食することは食品衛生上余程気をつけるべきこととされていますが、従来肉がそういう食べ方をされて来たのは事実ですから、ここでも採り上げておきました。
このように、和牛肉は、
<この続きは、明日の弊ブログにて>
追伸
デパートの催事に出店して精肉の販売をさせていただきます。
どうぞ、お立ち寄り下さい。
催事名:dancyuフェスティバル~dancyu×髙島屋グルメの祭典~
会期:平成27年10月14日(水曜日)~19日(月曜日)
会場:玉川髙島屋 6階催し会場
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