想いを届ける
ある日、街を走る郵便配達のバイクを見て、おや!と思いました。バイクの籠に、
「想いを届ける JP」
と印刷されていたからです。
弊社が「すき焼き川柳包装紙」をPRするのに使っている、
「想いを包もう!」にそっくりではないですか。
また大手にパクられた!
と思うと同時に、大手さんが雇っている超高給コピーライターと似たような仕事を私が出来ていることについて、少々自慢たらしい気分も混じったりして、複雑な気分がしました。
しかしです、調べてみましたら、「想いを届ける」はJPさん全体で統一して使っているわけではなかったようです。
「想いを届ける」は「漂流郵便局」の標語でした。
「漂流郵便局」は「瀬戸内国際芸術祭」の一環で久保田沙耶さんというアーテイストの方が開設した架空の郵便局です。
この郵便局は、届けたくても届けることができない手紙や届け先の分からない手紙などを受け付けてくれのです。例えば、このような↓亡き母への手紙を受け取ってくれるのです。
「おかあさん。あなたが昨夏亡くなった時は涙も出ませんでした。生前はお互い憎まれ口ばかり……。たぶん今会ってもきっとそう……。でもこの1年、幼い頃にかわいがってもらった記憶ばかりがよみがえります。プリンを作ってもらったこと。絵本を読んでもらったこと。ピアノを買ってもらったときが一番うれしかった」
「架空の郵便局」と言っても実在でした。
瀬戸内の廃局になった旧粟島郵便局を期間限定で使って、実際に手紙を「局留め」で受け取り、それを展示していたのです。このプロジェクトの件はテレビでも採り上げられて有名になり、全国から想いのこもった手紙が多数送られて来たそうです。
その時の報道で使われた言葉が「想いを届ける」でした。
では、上野を走っていた「想いを届ける」バイクは、何だったのでしょう。
「漂流郵便局」を知って共感して、局独自で印刷したのでしょうか。
分かりませんが、いずれにせよ、悪い標語ではないですね。
この時季大切な方へのお中元は、「ちんや」の肉を、「すき焼き川柳包装紙」で包んで贈ってみてはいかがだろうと思いますし、また「想いを届ける」バイクにも頑張っていただきたいものだと思います。
追伸
すき焼き思い出ストーリーの投稿を募集しています。
すき焼きは文明開化の昔から、日本人の思い出の中に生きてきた料理です。でも残念ながら、その思い出話しをまとめて保存したことはなかったように思います。
ご投稿くださったものは、「ちんや」創業135周年を記念して本に纏め、今後店の歴史の資料として、すき焼き文化の資料として、末永く保存させていただきます。
どうぞ、世界に一つだけの、すき焼きストーリーを是非、私に教えて下さい。
投稿〆切は9月末日です。
既にご応募いただいた、50本のストーリーはこちらです。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.954日連続更新を達成しました。