暴風雪~本当の寒気
飲食店の天敵と言えば、雪と選挙とオリンピックです。
今年の2月は、この3つが揃いぶみでしたから、弱りました。
特に2月8日の「暴風雪」の日は、予約のキャンセル続出で、実に弱りました。
この日は雪だけでなく風も強くて、
「雪くらいでキャンセルする積りは毛頭なく、行く気満々で家を出たのだけれど、途中から進むことが出来なくなって、家に戻って来ました。ごめんなさい。」
というお客様もおいででした。
しかし選挙関係者だけは元気で、ざんざん降る雪の中、マスゾエ候補とイシバ幹事長がやって来て、「ちんや」の前で、しきりと「元気アピール」をなさっていました。
そこまで無理しなくても良いのにねえ。
そんな中でしたが、なんだかんだ、120名様のお客様にお越しいただけました。
浅草に泊まってしまい、「街歩きが出来ないから食事を楽しみたい」という方はいるわけで、どんなに酷い降りの日でも、お客様がゼロになることはなく、在り難いことです。
お足元の悪い中お越しいただいた御礼に燗酒を「サービス」させていただきました。
問題なのはスタッフの通勤経路です。表通りはアーケードがありますが、通用口の在る裏通りはアーケードが無いので、雪かきはマストです。
路面が凍結して転倒されては労災ですから、「早め」が肝心です。
いやはや良い運動になりました。
除雪をする内夜6時半~の、最終の予約の御客様が食事を終えてお帰りになり、それと同時に閉店させていただきました。
・・・と「ちんや」の寒い一日は暮れたのですが、本当の寒気は翌日やってきました。翌朝のニュース番組の中に。
そのニュースでは、雪の中奮闘する宅配P△ZA業者を採り上げていました。
その業者は通常営業を敢行していて、外食を諦めた客から注文が殺到。遅配を責めるクレームの電話に謝る様子や、遅れを取り戻そうと急発進したカートが転倒する様子が放送されました。
あの暴風雪の中、あの安普請のカートで出て行くなんて!
おそらく、この業者の経営者は、
雪にも負けず営業する「元気な会社」「元気な社長」であることを投資家にPR出来て、ほくそ笑んでいたことでしょう。
まさに当世日本のリヴァイアサン「ブラック企業」ですな。
雪の日に遅配を責める客もまた「ブラック消費者」ですが、こちらの方は、ひょっとするとテレビ局による「やらせ」かもしれませんね。カートの転倒も「やらせ」かも。
人様の苦しむ様子こそ、テレビというメデイアの、最強のコンテンツですからね。
それはともあれ、その宅配P△ZA業者が営業していたのは事実です。
そして、そのような「ブラック企業」と、食事の提供という事業分野で、弊社が競合しているのも事実です。本当に背筋の芯から寒気がしました。
さて、皆さんが投資家なら、この会社をどう観ますか。
「元気な会社」なのか、「やがて従業員に離反されるであろう会社」か。ご検討あれ。
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毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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