すき家強盗
大手牛丼チェーン「すき家」について、私はこれまで一切関心を持ったことがありませんでした。しかし、今回ばかりは関心を持たざるを得ませんね。
なにしろ強盗被害が相い次いでいて、2011年に報告されている被害件数は、なんと一社で71件! 5日に一度は、全国どこかしらの店舗が被害に遭っているペースなのだそうです。
9月上旬には埼玉の店舗で「恒例の『すき家強盗』だ。金を出せ!」と言いながら押し入った強盗がいたとか。これは、チト面白すぎるので創作かもしれませんが。
結果、「すき家」の運営を行っている会社「ゼンショー」は、警察庁から指導を受けたそうな。特定企業の防犯体制について、警察庁が指導なんて聞いたことないですね。
夜間はバイト一人の体制で、レジが必ず出口付近にあるのが良くないそうです。それも、従来交番から注意を受けていたのに、それを無視していたため、「指導」→「公表」ということになってしまった模様です。
さらに、読売新聞が報じたところでは、この件について、「ゼンショー」の広報室長は「経営を度外視してまで防犯に取り組む必要があるのか考えたい」と発言したとか。もっとも、この「発言」については、「読売」と「ゼンショー」は、言ったじゃないか=言ってないぞ、で揉めているようです。
その、言った・言わないで揉めている最中の読売新聞に、19世紀イギリスの評論家ジョン・ラスキンの経済思想についての記事が載っていました。
18世紀アダム・スミスに始まった経済学は、やがて人間を単なる経済的な利益を求める機械のように想定するようになりましたが、ラスキンは、その流れの経済学を批判しています。曰く・・・
経済学者の誤りは、生きるとは快楽を追求することであり、労働は苦痛以外の何ものでもなく、冨とは苦痛を補い快楽を増す手段だと教えたところにある。
あくなき冨=快楽の追求は、自然環境を含めた他者への配慮を二次的なものにし、共同体や地球の生活圏を脅かすことになろう・・・
まさに今回「すき家」では、他者=アルバイトの体や、周辺の治安への配慮が「二次的」なものになっていたようですね。ラスキンから100年以上たってますけど。
ところで今頃関心を持ったんですけど、美味いんですか、「すき家」の牛丼って?
食いに行ってみようかな、夜中に。
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