聞き間違い
先日、とある経営セミナーで、お互いが経営上の悩みを言い合う、というコーナーがありました。そのコーナーでご一緒した方のお悩みは・・・
電話を受けるスタッフが、お客さまのお名前を聞き間違う。
ということでした。
私が「漢字を確認させたら、どうですか。間違いが確実に減りますよ。」と言うと・・・
その間違いの主は、漢字がカラッキシ出来なくて、それが理由で、お客さまのお名前を聞き間違ってしまう、ということでした。
うーん、そうかあ。
確かに、漢字がカラッキシだと、日本人の人名を正確に聞きとるのは、難しいかもしれませんねえ。ご愁傷様です。
ご愁傷様と言えば、私はつきあい上、よく弔電を頼みます。
弔電を頼む時は、弔電の文面は勿論、送り先、私の役職、名前などを電話で申し込むわけですが、それを受けて下さる、NTT電報センターのお姐さんの受け方は、カンペキの一語です。
電報のお姐さんは、面倒な固有名詞でも、淀むことなく、スラスラと受けていきます。素晴らしいです。
私の「住吉史彦」という名前の場合・・・
住吉様の「住」は住所録の「じゅう」、「吉」は「吉左衛門」の「きち」、
史彦様の「史」は「歴史学」の「し」、「彦」は「彦根城」の「ひこ」・・・
という具合です。弔電を頼むたびに毎回この展開なので、私はスッカリこのやりとりを記憶しています。
スッカリ記憶していますので、電報以外の注文を出す時、例えばレストランに予約を入れる時も、私はこういう頼み方をします。受ける人にとっては、とても親切なハズです。
しかし、です。親切にしても、かえって通じないことがあります。
先日、とある和食屋さんに電話したら、若いお姐さんが出ました。申込みましたが、携帯で電話したので、聞き取りにくかったのかもしれません。
住吉の「住」は住所録の「じゅう」、「吉」は「吉左衛門」の「きち」・・・
え?「キチザエモン」が分かりませんか?!
「楽吉左衛門」とおっしゃって、茶道の茶碗を作る人ですよ。
え?ウチは茶懐石料理はやってないって?!
それは知ってますよ。そういう話しじゃあなくて、今は、人の名前の話しをしてるんです。
じゃあ、「大吉」「中吉」の「きち」って言ったらわかりますか?!
犬の名前で良くある名前かって?!うーん、そうかもしれないけれど、って言うより、神社でやっている、おみくじの「きち」ですよ。
いいですか。それから、ですよ・・・
史彦の「史」は「歴史学」の「し」、「彦」は「彦根城」の「ひこ」です。
え?「ヒコネジョー」が分かりませんか?!
ほら、あるでしょう、滋賀県に!
井伊直弼のお城ですよ。有名でしょう、桜田門外の変で。
え?ウチは港区だって?!
それは知ってますよ。そういう話しじゃあなくて、今は彦根の話しをしてるんですけどね、つまり、「彦にゃん」の「彦」ですよ。
え?「彦にゃん」なら分かるって?!
彦根はわからないのに、「彦にゃん」は分かるんだ!
ご愁傷様です、この店。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて588連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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