「牛肉名刺入れ」の造り方
精肉売店で「牛肉名刺入れ」の販売を始めました。牛肉と見まごう名刺入れです。
Facebookの私のウオールに、その画像をUPしましたところ、「いいね」が連打されています。皆さん、こういう、意味なく面白いものを待っていたんですね。
でも、この名刺入れを造る工程は、面白いというよりは、ひどく真面目で入念です。
合羽橋の「佐藤サンプル」という食品サンプル屋さんが、サンプル製作の技を活かして作って下さっているのですが、以下に、その工程を公開します。
まず、名刺入れを2枚縦にならべたサイズの、本物の牛肉をシリコンで型取りします。
シリコン型が固まったら、脂身色に着色した塩ビ樹脂を、型の内側に描き込んでいきます。
そうです、霜降りは手描きなのです。
次に、霜降を全て描き込んだら、オーブンに入れて焼きます。少し火が通った頃合いで出して、肉の色に着色した塩ビゾルを上から流します。こうすると、微妙に滲んだ感じが出ます。
この名刺入れは、「ちんや」の熟成肉にあわせて、その風合いを出しております。つまり「ちんや」限定バージョンなのです。懲り杉です。
続いて、今度はじっくり焼き上げて、ベースの生地の完成。長方形の肉の生地が出来ました。これを中央から半分に折り、「まち」部分を仮留めします。
今度は、形がなじんだら、今度は剥がれないように、補強します。「まち」部分に樹脂を流し、霜を書き加え、三度目のオーブンへ。
三度も焼くのです!
そして、最後に仕上げとして、表面につやを出して、乾いたら検品して完成。
この状態で工場より出荷され、合羽橋ショールームでパッケージングされます。
こうして、馬鹿馬鹿しいものを真剣に作っているところが、なんとも素敵です。これは一つの文化と言っても良いのでは、と思います。
この素敵さをわかっていただける方が大勢現れることを期待します。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて579連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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