四文字熟語

 人生の節目の機会で、大勢の人の前で、自分の理想を語らないといけない状況の時、皆さんは何を話しますか。

 大相撲の琴奨菊関が、大関に昇進した時は、こうでした・・・

 「万理一空の境地を求めて、日々努力精進いたします!」

 万里じゃあないですよ、万理です。

 宮本武蔵の書物から来ているそうでして、すべてのことわり(=理)は一つの空に帰するという意味、だそうです。

 うーん。そんな境地を、現代の普通の人が分かるンでしょうか。

 しかも新大関は四文字熟語辞典を手にして、困惑したような表情のところをマスコミに撮らせたりしています。うーん、毎度のことだけど、どうもなあ。

 一方、新大関のインタビュー内容は、共感できるものでした。

 「魁皇関みたいに、みんなから愛される大関になりたい」

 「相撲を教えてくれた、おじいちゃんへの感謝を忘れず、一緒に闘っていくという気持ちを込めたい」

 つまり、この方の理想の姿は、

 「愛される大関」

 「おじいちゃんと一緒に闘う大関」

のようです。分かりやすくて、共感できます。

 それだけに「万里長城」じゃなかった、「万理一空」との乖離が気になります。「万理一空」と言う超俗の言葉と「愛される」「おじいちゃん」といった、とても世俗的な言葉とは、どうしても距離を感じます。

 そう言えば、しばらく前に出席した、とある結婚ご披露宴で、スピーチに立った新婦側の主賓が、若い部長さんでした。

 若くて迫力が無いのを補おうと考えたのか、その方も四文字熟語作戦でした。

 「私が大好きな言葉に・・・」

に続けて、その四文字熟語を言うはずでしたが、お気の毒に、その方、肝心の四文字熟語を言い間違えてしまいました。「私が大好きな言葉」のはずなのに間違えてしまいました。

 あーあ。

 こういう場合に、やさしくないと言うか、KYなのが浅草の面々です。

 今の言葉、違うよねえ。

 そうだね、ゼッタイ違うよ。間違えてるよ。

とデカい声でツイートするので、本人に聞こえてしまいました。

 あーあ。

 よせば良いのに、四文字熟語。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて578連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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