工場野菜

  某大手食品メーカーさんから、しめじのサンプルをもらいました。

  最近、企業の農業への進出が推奨されていますから、そういう路線なのでしょう。いわゆる「工場野菜」の類です。

  ホイルに挟んで焼きまして、

  どうも、やたらと水が出るなあ。まあ、水耕なんでしょうから、当然か。

  そして、試食。

  ・・・・・・

  どうやったら、こんなに味気なく成るんだろう。味気ないというより、味が存在しないです。

  それ以前にパッと見が、真っ白です。多少色が在る部分でも、茶色より灰色。

  これを食べた子供が育ったら、灰色で味気ない人間に成るんじゃないですかね。

 ここで「誰が、そんなの食べるんだ?」と思っておいでの方にご説明しますが、「工場野菜」にはニーズがあるのです。どういうニーズかと申しますと・・・

 絶対安全。

 「工場野菜」は、工場という管理された空間の中だけで育ちますから、菌もウイルスもいません。だから、食べる時に殺菌・洗浄する必要がないのです。

 普通の土の上で育った野菜は、どうしても自然の菌やウイルスが居ますから、これを絶対に排除するためには、殺菌液に漬けるのです。ゾッとするでしょう。

 「ちんや」は、野菜をすき焼きの鍋の中で煮てしまいますし、そもそも安全絶対主義ではないですので、これをしませんが、大手の外食産業さんはやっています。その点、「工場野菜」なら、この殺菌工程を省けます。

 それに、ですよ。洗浄もする必要がない、ということは作業が減らせるので、人件費がさらに削れるのです。

 外食産業の店で、サラダを頼んだら、ゼンゼン味がしない野菜が出てきた、という御経験はありませんか。実はサラダというのは、生なので安全上のリスクがある食べ物なのですが、そのリスクを無くしてくれて、しかも人件費が削れるのが、「工場野菜」です。

 ついでに申せば、形が統一されているので、アルバイトでもカット・盛り付けができます。職人いらず、です。

 どうです? 素晴らしいでしょう?「工場野菜」。

 しかし、このまま安全絶対主義を信奉し続け、「工場野菜」だけを食べ続ければ、人類は、灰色で味気ないヤツらの集団に成るでしょう。

 自然の畑に居る、菌やウイルスが、そんなに怖いか。皆さん、一度考えてみて下さい、残り短い夏の間に。

追伸①

 弊店では肉を召し上がっていただく前に、牛の個体識別番号と生産県をお示ししています。汚染エサを与えていないことが確認されていますのでので、安心して国産牛を召し上がっていただくことができます。

追伸②

 「ゆかたdeプレゼント」を実施しています。ゆかた姿で弊店に見えた方に、東北・茨城の冷酒1本(300ml)を差し上げます!(お座敷で、料理1人前を召し上がる方に限り)

 弊店以外の台東区の御店でも、同様のプレゼントが。そちらは、8月13日(土)から28日(日)まで実施予定です。

追伸③ 

 今月の昼時より「四分の三すき焼き」を始めました。

 ご昼食セット(4.300円)の、お肉とご飯の分量を四分の三人前にできます。価格は3.800円です。満腹するまで食べたくはないが、おいしい肉を少し食べたい、という時に、どうぞ御利用を。

追伸④ 

 地下1階カウンターレストラン「ちんや亭」でも、「ちんや」座敷と同等の、霜降り肉すき焼きを召し上がれるようにしました。

 「旨い肉を食べたいが、記念日でもないし、座敷に上がるのは億劫だ」というお客様、あるいは御一人様のお客様、是非ご利用を。

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて538連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

Filed under: すき焼きフル・トーク,ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)