後手
ツイッター社からLady Gaga様をフォローするよう、「お勧め」されました。
Gaga様は先週日本のテレビ番組の中で、すき焼きを食べて下さったので、フォローすることにしました。私は、11.702.808人目のようです。さて、今日も辛い話題ですが、
食の安全を守るための法律を造る時の考え方は・・・
食品業者の中には、不注意なヤツがいるらしい。
⇒不注意なことをしたら、すぐに発見できるような仕組みを造ろう。
⇒発見したら、処罰してやろう。
という風に出来ています。
牛の個体識別法が、その例で、言うまでもなく、BSE問題がキッカケで出来たものです。この法律の眼目は、生産者が牛に肉骨粉を与えないようにさせること、です。
今回の福島の牛の問題では、屋外にあった、汚染されたエサを牛に与えないようにすることが非常に大事で、農林水産省は通達を出してはいたのですが、実際は守られず、12軒の生産者が与えてしまったことが分かっています。
それで混乱が起きていますが、では、この場合はどう考えたら良いのでしょう。
報道によると、屋外にあった稲藁を与えてはいけない、ということを知っていて与えた人もいたようです。地震直後の混乱の中で、エサを入手しにくかったからのようです。また、自分の所は原発から遠いから平気だろう、と考えて与えた人もいたようです。さらにまた、通達を知らなかった、という人もいたようです。
こういうことが起きたのは、スリーマイル島・チェルノブイリ・フクシマと3回だけですから、その人達をあまりキツく非難もできません。
行政の対応も、通達を流しただけでは不十分だった、と批判されています。
牛は屋内に居るから、野菜に比べれば、まだ安全だ、と思っていたのかもしれません。実際、問題の牛の体の表面からは、マズい数値は検出されていません。
エサも、たいていは屋内の倉庫にあるものです。稲藁は昨年の秋に刈り取られて、倉庫に収められているハズだから、まだ安全だ、と思っていたのかもしれません。
しかし結果は例によって、後手にまわり、衝撃が走ってから⇒慌てふためく、毎度の光景と成りました。
慌てふためく様子が報道されて、不安感を煽り、その不安な心理状態の中で、「国産牛を食べるのはやめた!」あるいは「牛肉を食べるのはやめた!」というような、極端な意見がはびこる展開に進んでいる模様です。
BSE問題の再現を見るようで、本当に残念なことです。
これ以上の混乱が起きないことを祈るばかりです。
今回救われるのは、BSE問題の遺産で、牛には全て個体識別番号がついていて、それを店頭で表示する制度になっている、ということです。追跡調査も容易です。
極端な意見がはびこることのないよう、またBSE問題の時は、恥知らずな焼肉業者が「当店では国産牛を使っておりません!」と大々的に広告していましたが、そういう宣伝に惑わされないようにしていただきたいです。
皆さんの「食べない」という選択は、ただでさえ困っておいでの畜産農家の方をさらに苦しめる選択です。皆様のご高配を賜りたく、お願い申し上げます。
今が踏んばりどころです、ニッポン。
なお、弊店では肉を召し上がっていただく前に、個体識別番号と生産県をお示ししますので、安心して召し上がっていただくことができます。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて506連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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