第16幕

月刊『浅草』に東洋興業会長・松倉久幸さんの「浅草六区芸能伝」が連載されていて、おもしろいです。
松倉さんは、2016年に刊行された拙著『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』の中で私が対談させていただいた、浅草の九人の旦那衆の一人ですが、その松倉さんの連載が、このところ『浅草』の巻頭に連載されているのです。
さて今月の「第16幕」は永井荷風についてでした。
荷風が浅草芸能史に欠かせない人物であることは言うまでもないことです。戦前の1930年代から戦争をはさんで、1959年に亡くなるまで荷風は浅草を徘徊し続けました。中でも松倉さんが経営するロック座、フランス座を訪ねるのが好きでした。
終演後に踊り子たちと食事に行ったり、ある時は楽屋の風呂にまで入っていたとか。もちろん踊り子たちと一緒に。
フランス座と名づけたのも荷風でした。荷風はフランス留学経験があり、ムーランルージュなどを観ていましたので、そういうショーを日本でも上演して欲しいという願いを込めて命名したのです。その願いに応えて東洋興業さんは、ストリップだから、たしかに脱ぐのですが、質の高いショーを上演していました。
そんなフランス座の踊り子たちを荷風は愛し、文化勲章を受章した時も、踊り子たちと祝宴を張ります。たいてい仏頂面で写真に撮られることの多かった荷風が、この宴席の写真ではにこやかに笑っています。
大作家にして、無類の奇人だった荷風の笑顔が、この写真に遺っています。
『浅草』を購読ご希望の方は㈱東京宣商さんへ。TEL:03-5827-1962

追伸
令和の新時代に向け、「ちんや」は「肉のフォーティエイト宣言」を致しました。ご理解・ご愛顧賜りたく、お願い申し上げます。

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新元号グッズ

元号「令和」を検討する有識者会議が開かれている間、あるテレビ番組が中継していたのは、
日本一早く新元号グッズを売りだそうと準備している会社
でした。その会社さんは食器メーカーで、官房長官が元号の額を掲げた瞬間に、その画像をコピーして採り込み、それを食器にプリントしようと準備していたのでした。
会社の人はインタビューに答えて、
一発勝負なので万全の準備をして臨みます!
と得意満面の表情を浮かべていました。
それを視た時、私は大変申し訳ないことながら、
格好悪いなあ。
なんてカッコ悪いんだ!
と思ってしまいました。カッコ悪いと感じた理由を考察してみますると、自分の商才を誇っているように見えたからです。
画像を即モノにプリントする技術は今や特段目新しいものではなく、この会社さんの自慢になるような新技術ではないですね。だから、ここで自慢できるのは、その技術を「日本一早い新元号グッズ」に転用するというアイデイア、すなわち商才だけです。それなのに自慢げに見えたので、私はカッコ悪い!と思い、視ていられなかったのです。
もしかしたら、その会社の人はカメラマンから
笑顔下さい!もっと笑顔下さい!もっともっと笑顔下さい!
と強制されていたのかもしれません。中継で持ち上げておいて、スタジオで貶して笑うという演出意図があったかもしれません。実際、中継が終わって画面がスタジオに振られた瞬間、キャスターの人は、
これを見て「だからどうなんだ」とか言っちゃダメですよ!
とコメントしてスタジオの笑いを誘っていました。
ああ、私はもしテレビに出る機会があっても、こういう風にはなりたくないです。
このブログの読者さんなら、私が昨年の夏から系列レストランの「ちんや亭」のコンセプトを「肉の食べくらべレストラン」に変更し→美味しい肉を少しだけ食べる行為を「ちょい食べ」と呼んで、比較的上手く行っていることをご存知だと思います。
3月末までやっていた、肉の食べくらべキャンペーン「ちょい食べGO」も成功でした。
ですので、これについて自慢たらしい気分は当然持っています。
・肉と言えば「ガッツリ」ばかりの世の中に「ちょい食べ」というアイデイアを持ち込んだことについて。
・少量メニューを導入したことで、フードロス削減と労働時間削減につなげたことについて。
・急にメニュー数が倍増しても対応してくれるスタッフがいることについて。
当然自慢たらしい気分は持っています。
が、それを公共の電波に晒すことは、よくよく慎重に考えねばなりません。
それはカッコ悪いです。商才自慢はカッコ悪いです。
テレビに出る機会があっても、仏頂面で、カメラに向かってガンを飛ばすような風情で出よう(笑)と固く決意した4月1日でした。

令和元年、誠にお芽出とうございます。
あ、それは未だか・・・

追伸
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トマト卵

日本料理業「東京芽生会」の皆さんが見えたので、卵の新作を出してみました。
今回の卵は「トマト卵」。
「バサラ」さんが「トマトすき焼き」をやっておいでなので、味としてOKなことは既に知られています。しかし、やり方は同じではありませんで、「バサラ」さんが鍋の中にトマトを、そのまま投入するのに対して、「ちんや」では卵の玉丼の中だけトマト味を入れる作戦です。
「バサラ」さんの「トマトすき焼き」は名物になっていて、それを食べようと客が集まりますが、「ちんや」に見えるのは、普通のすき焼きを食べようという人達で、それにトマト味を試していただくわけですから、鍋全体をトマト味にしてしまうわけに行きません。で、「玉丼の中だけトマト味」なのです。
「玉丼の中だけトマト味」なので、その「バサラ」さんのように、そのままトマトを入れられません。
・トマトを煮出して出汁のようにした液体
・その出しガラ
を用意しておいて、トマトの酸味と旨味が塩梅良く卵に入るよう試してみました。
結果はまずまず。
営業的には手間がかかって、今回のような実験的な会でしか出しづらいですが、美味いことは確認できました。
ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。

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JK

雑誌「JK」に載せていただきました。
「JK」は「女子高生」の略では勿論なく「塾高」の略。つまり慶應義塾高校の同窓会誌の、OBを紹介する記事でした。ありがたいことです。
私が載せていただいたのは、「継続は智力なり」というタイトルの老舗特集で、ウチ以外にも寝具の「昭和西川」さん、旅館「一の湯」さん、油卸の「島商」さんなどが出ていました。老舗を知ることで、「ポスト平成の未来への指標としたい」という気合の入った特集でした。
登場している経営者の皆さんのお考えは様々で、一つの傾向が見えたという感じではありませんでしたが、それぞれに独自の境地を見つけて、「腹がすわった」感じが読み取れます。
中でも私が感心したのは、1期先輩で修善寺の「あさば」旅館の浅羽先輩。
旅館を継いだ時27室だった客室16席に減らしたとか。
大きくなることだけが成長ではなく、成熟も成長だという発想には大いに共鳴しました。
載せていただいてありがとうございました。

追伸
令和の新時代に向け、「ちんや」は「肉のフォーティエイト宣言」を致しました。ご理解・ご愛顧賜りたく、お願い申し上げます。

<「ちんや」臨時営業のお知らせ>
以下の日は火曜日ですが臨時営業致します。どうぞ、ご利用下さいませ。
4月30日(火曜)(祝日)

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日本酒クイズ~正解

「浅草うまいもの会」の屋形船の会がありました。今回は新潟県の日本酒関係の方がゲストで見えたので、毎度余興担当の私は、「日本酒クイズ」を創りました。全部三択です。
今日は、その正解です。皆さんは、何問できましたか?

<日本酒クイズ>
・酒の銘柄についての問題です。次の3軒の酒蔵の中に、新潟県の蔵ではない蔵が1軒ありますが、それはズバリ、どれでしょう? 
✖1〆張鶴、✖2北雪、〇3東光
〆張鶴(しめはりづる):村上市 北雪(ほくせつ):佐渡が島、東光(とうこう):米沢市

・またまた酒の銘柄についての問題です。次の3軒の酒蔵の中に、新潟県の蔵ではない蔵が1軒ありますが、それはズバリ、どれでしょう?
✖1天領盃、〇3新政、✖3吉乃川
天領盃(てんりょうはい):佐渡が島、新政(あらまさ):秋田市、吉乃川(よしのがわ):長岡市 

・酒が登場する文学の問題です。狂言の「棒縛り」は、酒を盗み飲みする癖のある登場人物が棒に縛りつけられてしまうことから始まる滑稽な筋の話しですが、さて、この話しの登場人物3名の内、棒に縛られてしまう人物は、誰でしょう?
✖1太郎冠者(後ろ手)、〇2次郎冠者(棒しばり)、✖3主人(しばられない)

・酒にまつわる事件の問題です。明治初期、所得税を効率的に課税することが出来ずにいた明治政府は、代わりに酒税を増税しようと考えますが、それに反対する酒造業者が大集結するという「大阪酒屋会議事件」が起こります。さて、この時政府の弾圧を免れるため、酒屋が集まった場所は、どこだったでしょう?
〇1淀川の舟の上、✖2松島の遊郭、✖3嵐山の竹林

・日本酒の造りに関する問題です。精米歩合(せいまいぶあい)とは、原料の玄米の表面を、どの程度削ったかを表した数字のことですが、次の、どの精米歩合が、一番米を削ったものでしょうか?
〇135%、✖250%、✖365%

・一般的な日本酒のアルコール度数は、ずばり、何%でしょう?
✖16%、〇215%、✖327%

・酒の流通に関する問題です。「ひやおろし」という方法で売られる酒がありますが、さて、「ひやおろし」とは、いつ売られる酒でしょうか?
〇1秋口、✖2師走、✖3立春のころ

・酒の造りの問題です。1957年に新潟県で開発された、酒造りに適した米の銘柄は、ずばり、次の内のどれでしょう?
〇1「五百万石」、✖2「山田錦」、✖3「美山錦」
 「五百万石」:新潟、2「山田錦」:兵庫、3「美山錦」:長野

・新潟の酒と言えば、「淡麗辛口」のイメージがありますが、そのイメージは1980年代の辛口ブームに由来するもので、それ以前は「たんれい」の漢字も違っていました。さて、以前の「たんれい」の漢字は次の内のどれでしょう? 
〇1端麗、✖2探麗、✖3鍛麗
<終わり>

追伸
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以下の日は火曜日ですが臨時営業致します。どうぞ、ご利用下さいませ。
4月30日(火曜)(祝日)

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日本酒クイズ

「浅草うまいもの会」の屋形船の会がありました。今回は新潟県の日本酒関係の方がゲストで見えたので、毎度余興担当の私は、「日本酒クイズ」を創りました。
さて、皆さんは、何問できますか?全部三択です。

<日本酒クイズ>
・酒の銘柄についての問題です。次の3軒の酒蔵の中に、新潟県の蔵ではない蔵が1軒ありますが、それはズバリ、どれでしょう? 
1〆張鶴、2北雪、3東光

・またまた酒の銘柄についての問題です。次の3軒の酒蔵の中に、新潟県の蔵ではない蔵が1軒ありますが、それはズバリ、どれでしょう?
1天領盃、3新政、3吉乃川
 
・酒が登場する文学の問題です。狂言の「棒縛り」は、酒を盗み飲みする癖のある登場人物が棒に縛りつけられてしまうことから始まる滑稽な筋の話しですが、さて、この話しの登場人物3名の内、棒に縛られてしまう人物は、誰でしょう?
1太郎冠者、2次郎冠者、3主人

・酒にまつわる事件の問題です。明治初期、所得税を効率的に課税することが出来ずにいた明治政府は、代わりに酒税を増税しようと考えますが、それに反対する酒造業者が大集結するという「大阪酒屋会議事件」が起こります。さて、この時政府の弾圧を免れるため、酒屋が集まった場所は、どこだったでしょう?
1淀川の舟の上、2松島の遊郭、3嵐山の竹林

・日本酒の造りに関する問題です。精米歩合(せいまいぶあい)とは、原料の玄米の表面を、どの程度削ったかを表した数字のことですが、次の、どの精米歩合が、一番米を削ったものでしょうか?
135%、250%、365%

・一般的な日本酒のアルコール度数は、ずばり、何%でしょう?
16%、215%、327%
・酒の流通に関する問題です。「ひやおろし」という方法で売られる酒がありますが、さて、「ひやおろし」とは、いつ売られる酒でしょうか?
1秋口、2師走、3立春のころ

・酒の造りの問題です。1957年に新潟県で開発された、酒造りに適した米の銘柄は、ずばり、次の内のどれでしょう?
1「五百万石」、2「山田錦」、3「美山錦」

・新潟の酒と言えば、「淡麗辛口」のイメージがありますが、そのイメージは1980年代の辛口ブームに由来するもので、それ以前は「たんれい」の漢字も違っていました。さて、以前の「たんれい」の漢字は次の内のどれでしょう? 
1端麗、2探麗、3鍛麗

*正解は、明日の弊ブログにて。

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4月30日(火曜)(祝日)

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社内の広報

令和の新時代に向け、「ちんや」は「肉のフォーティエイト宣言」を致しました。これを、「ちんや」の仕入れ方法の新しい基準としたことは、3/31の弊ブログにUPした通りですが、こういう場合に一番大切なのは、社内の広報です。
「社内の広報」とは変な言葉ですが、要するには現場に良く理解してもらう、ということですね。
私自身も若手サラリーマンだった時に経験しましたが、自分が深く理解していないモノを売る立場というのはツラいものです。商売の現場はフリートーキングですから、お客様は自分が納得するまで、いくらでも質問できます。記者会見よりハードです。その状況は、なかなかツラいものです。
そこで今回の重量制限の件も、全社員に一対一で私が面談して、それぞれに説明する作業を進めています。
が、それをやれば充分というわけではないです。
耳から聞いただけでは、腑に落ちないタイプの人が大勢いるからです。
そこで必要になるのが体感です。
「ちんや」の肉は、自分が食べてみてたしかに美味しいんだ!他と違うんだ!という体感がないと、自信をもってお客様にPRできません。
耳で聞いたものを、「受け売り」で説明してみても、説得力が乏しくなりがちですから、自信がないから、あまり話題にしないようにしようかな・・・となりかねません。
だから、結局、自分で食べること、それが大事です。
詳しいことは良く分からなくても、私自身が美味しいと思います!ゼンゼン違いますよ!
と言えるように、「ちんや」の肉を食べる機会を、賄いの「肉の日」とかを増やしていかねば、と思います。

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以下の日は火曜日ですが臨時営業致します。どうぞ、ご利用下さいませ。
4月30日(火曜)(祝日)

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茶店

今年も向島墨堤組合さんの茶店がかかりましたので行って来ました。
墨堤組合は、向島の料亭さんと芸者衆の組合でして、桜の季節に隅田公園に茶店を出します。日ごとに料亭が分担する形になっていて、客入りが悪い日があると、その日の料亭が格好悪いので、呼び出しメールは結構真剣です(笑い)
今年の日程は3月28日(木)~4月7日(日)。ほぼ満開の時季に当たって、良かったですね。
7日までやっていますので、皆様も花見がてらお出かけ下さい。
場所は「桜橋」デッキの墨田区側です。

追伸
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13冠

桜も満開だった3月末のある日、
「ちんや亭」の、肉の食べくらべキャンペーン「ちょい食べGO」で13冠(=13種喫食)を達成した方が、副賞の塊肉の画像をネットにUPしてくれました。ありがとうございました。
この方を含め、21人の方が7冠以上を達成して下さり、本当に在り難いですね。
そのせいか、今月の「ちんや亭」の売上は前年対比125.6%でした。
どうも、まったく、さんきゅうでした。

追伸
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<「ちんや」臨時営業のお知らせ>
本日と改元連休中の、以下の日は火曜日ですが臨時営業致します。どうぞ、ご利用下さいませ。
4月2日(火曜)(隅田公園桜まつり)
4月30日(火曜)(祝日)

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いやさかプロジェクト

「いやさかプロジェクト・和楽奏伝」が浅草公会堂で開催されたので、聞いてきました。
この公演は、浅草の宮本卯之助商店の八代目・宮本義彦さんがプロデュースして、気鋭の邦楽演奏家を集めたものです。
卯之助商店さんの企画ですから、やはり和太鼓が中心ですが、津軽三味線、三線、箏、雅楽といった、太鼓とは距離のありそうな楽器も続々登場して、しかし見事にフュージョンになっていたのには、感心してしまいました。
案内文に「日本でそれぞれに培われてきた伝統音楽。それはこの国の自然と生活文化の豊かさを物語ります。」とありましたが、普段は、それがオールジャパンで鳴ることはあまりないですね。今回は素晴らしく一丸になっていて結構なことでした。
そして白熱のパフォーマンス。
「次に伝える」趣旨ということでしたが、この位の勢いがあれば、観客も大興奮でしたし、続きそうな気がします。
今後の展開も楽しみです。

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4月2日(火曜)(隅田公園桜まつり)
4月30日(火曜)(祝日)

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