霜降り
在り得ない表現で広告をする時代になったようです。
例えば、最近テレビで頻繁に見かけるものとして、
コンタクトレンズについて「生レンズ」
ひらたけについて「霜降りひらたけ」
「最高級」だの「ウルトラ上等」だのと表現すると、どこが「高級」なのか、何をもって「上等」と言っているのか、ウルトラマンでもないのに何故「ウルトラ」なのか、丁寧に説明しなければなりません。上手く説明しないと誇大広告と言われてしまいます。
しかし「生」や「霜降り」に定義はありませんから、説明する必要が無くて楽ですね。
宣伝する対象が酒であれば、「生酒」と言える範囲は勿論決められていて、それに該当しないものを「生」と言えば不当と言われてしまいます。しかし工業製品であるコンタクトレンズについて「生」の定義はないので、「生レンズ」は言いたい放題です。
では「霜降り」はどうでしょう?
肉の業界で、実は「霜降り」の定義はないです。なんとなく、5等級と4等級であれば「霜降り」と言ってよい感覚がありますが、厳密ではありません。
また5等級の中の最もサシの多い肉と4等級の最もサシの最も少ない肉を、一括りに「霜降り」と言ってしまうのは体感的に無理があるように私は思います。
そこで私は2017年1月に「適サシ肉宣言」をした時に、メニューから「霜降り」という言葉を外してしまい、4等級だけを「適サシ肉」と言うことにしました。あれからもう2年、覚えていただけたら嬉しいです。
さてさて、ひらたけの「霜降り」ですが、どんなものなんでしょう。サイトを開けてみました。
そこには、「傘は肉厚で、その表面にはきれいな〝霜降り状の模様〟があるのが名前の由来となっています。」
〝霜降り状の模様〟が根拠ですか・・・
私はサイトの画像を見ただけですが、こういう模様のあるキノコは少なくないような・・・
でも、「霜降り」というのは、今のところ自由です。
商売とは、本当に、あの手この手ですなあ。
追伸
令和の新時代に向け、「ちんや」は「肉のフォーティエイト宣言」を致しました。ご理解・ご愛顧賜りたく、お願い申し上げます。