長寿企業の知恵②

ネットTV番組『Story 〜長寿企業の知恵〜』に出演させていただきました。

この番組は、創業100年を超える老舗企業の経営者をゲストに招き、長寿企業の経営者が持つ知恵や理念、思いを語る、というものですが、思いがけず好評で嬉しく思っています。

こちらのURLで今でも視聴可能ですなのですが、全長50分と少々長いし、そもそも動画は音が出せる環境でないとダメなので、文字情報が欲しいというご要望をいただきました。以下に公開してまいります。

(長いので15日に分けてUPしています。今日は、その2日目です)

朝岡「“すき焼き”の調理法にもこだわりはが?」

住吉「こだわりと申しますよりは、理にかなっていて、しかしこれまでにない食べ方を探し求めています。最近では、溶き卵に変化を付けています。

・カレーオイルをオイルで時、それを溶き卵に加えます。

・ヨーグルトを溶き卵に加えます。

*「甘」「辛」「旨」の三味が強烈なすき焼きは、最初美味しく感じるが、食べ続ける内に飽きてしまうことがあります。そこで「苦」「酸」を足すことで、五味が揃い、最後まで美味しく食べ続けられます。

*伝統にないものなので一見革命的に見えますが、食の理論に沿ったレシピです。

(カレーオイル入り卵)

・カレー粉と若干のスパイスをオイルに入れて溶き、それを生卵に加えます。

・すき焼きに足りない「苦味」を補い、アクセントを付けます。

・シラタキに良く合います。(キンピラに七味をかけると美味しいのと同じ原理です)

・使い残したら、ごはんにかけて食べると美味しくいです。カレーライスは、明治20年代から国民食なので、どこか懐かしい味がします。

(ヨーグルト入り卵)

・ヨーグルトを生卵に加えます。

・すき焼きに足りない「酸味」を補い、味を中和させます。(「味の抑制効果」と言います。)

・甘辛味と酸味とがバランスして、信じられないくらいサッパリ、マイルドに感じます。(酢の物に醤油を加えると美味しいのと同じ原理です。)

・どの具材もサッパリと食べられます。

・酸っぱいヨーグルトが苦手な方でも「抑制効果」で中和することで美味しく食べられる。ヨーグルトの新しい使い方でもあります。

 

(書籍の現物をスタジオに持参)

石田「社長は『書籍』も出されていると伺ったが?」

住吉「浅草の九人の旦那衆と対談して、“浅草ならではの商人論”を目指した本『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』を執筆しました。平成282月に出版しました。

朝岡「どういった経緯でこの本を出版されたの?」

住吉「個人的なことですが、昭和14年生まれの母が、平成277月に他界しまして、それがキッカケです。パーキンソン病を患っていて、26年の秋ぐらいからはかなり体調が悪くなっていて、この世代の方に早く会っておかねば記憶が失われると思いました。戦争のことは良く記録されていますが、戦後のことはあまり記録されていませんからね。でも結局本の出版に母は間に合いませんでした。」

 

石田「関西の“すき焼き”を意識することは有りますか?」

住吉「もちろん意識はしますが、どちらが上とか下とか、そういう意識の仕方ではないです。スキヤキは地方ごとに違い、家庭ごとに違いがあって、そこがなんて面白いのか!と思います。街の数だけご家族の数だけ、のすき焼きが在って、そのどれもが後世に伝えたいものばかりです。どれが一番美味しい?と問うのは野暮です。そういう質問は止めて、全部面白い!と言っていただけたら嬉しいと思っています。」

 <ナレーション>ここからは・・・<この続きは、明日のこのブログで>

追伸

Dancyuさんのお誘いにより、明日から

二子玉川髙島屋の催事「第3回 dancyuフェスティバル~dancyu×高島屋 グルメの祭典~」に出店します。もちろん「適サシ肉」を販売しますので、お近くの方、どうぞお立ち寄り下さい。

会場:玉川髙島屋本館6階催場

会期:10月25日(水)→30日(月)

営業時間:午前10時~午後8時

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.796日連続更新を達成しました。 すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)