大根百景
「やまけん」さんの写真展「大根百景」を拝見してきました。
「やまけん」こと山本謙治さんは、著書『激安食品の落とし穴』『日本の食は安すぎる』などで知られる、農政・食生活ジャーナリストで、「ちんや」の「適サシ肉」の件も書いてくれたことがありますが、書く一方でなく、カメラがかなりお得意です。それで、今回は写真展です。
それも、宮崎県田野町の大根たくあん漬けの写真だけの写真展です。
田野町は大根たくあん漬けの一大生産地ですが、驚きなのは「大根やぐら」のスケールです。
この地域では、冬季に「わにつかおろし」という乾いた北西の風が吹くので、大根をやぐらに吊るし、この風に当てて干し、それから漬物にします。
やぐらの大きさは、幅6m×高さ6m×長さは最大で100mを超えるものも在るとか。その壮大なやぐらを、地元の農家さんが自力で組み上げるのです。しかも、それが、なんと200基あるのだそうな。
「やまけん」さんのカメラは、その一連の作業を追います。「大根やぐら」の件は、私も本で読んだことがあったのですが、見ると読むでは大違い。写真は雄弁ですね。
中でも、私が一番面白いと思ったのは、やぐらの下で夜、地元の人たちが宴会をしている図です。壮大なやぐらを引いて撮った写真や大根が何百本と並んだ景色も勿論結構なものですが、私には、この宴会の様子が興味深く、画面に見入ってしまいました。
真冬の夜間なので寒いのか、人々はうどんらしきものを食べています。できれば、すき焼きにして欲しいなあ。
他の、ビジュアルが素晴らしい写真をさて置いて、この図に見入る私を、「やまけん」さんが不思議そうに見ていました。
追伸
ネットTV番組『Story 〜長寿企業の知恵〜』に出演させていただきました。こちらのURLで視聴可能です。
この番組は、創業100年を超える老舗企業の経営者をゲストに招き、長寿企業の経営者が持つ知恵や理念、思いを語る、というものです。どうぞ、ご覧くださいませ。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.786日連続更新を達成しました。 すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。