長寿企業の知恵⑥

ネットTV番組『Story 〜長寿企業の知恵〜』に出演させていただきました。

この番組は、創業100年を超える老舗企業の経営者をゲストに招き、長寿企業の経営者が持つ知恵や理念、思いを語る、というものですが、思いがけず好評で嬉しく思っています。

こちらのURLで今でも視聴可能ですなのですが、全長50分と少々長いし、そもそも動画は音が出せる環境でないとダメなので、文字情報が欲しいというご要望をいただきました。以下に公開してまいります。

(長いので15日に分けてUPしています。今日は、その6日目です)

朝岡「言葉にしなくても“自然”と受け継がれてきた面もある?」

住吉「料理屋ですから、そもそも言葉にしづらいのです。食べて、ああ、こういう味のものを提供し続けなければ・・・と思い定めるのです。お客様に対する接し方も、こういう感じ・・・ですねえ。」

 朝岡「この先に向け、社長自身が“家訓”や“理念”を作ることはある?」

住吉「あるかもしれないですね」

朝岡「社長自身が経営を行う上で一番大事にしていることは?」

住吉「自分の周りや、業界の川上ばかり観ず、お客様の方を向くこと。つまり顧客志向であること。ただしお客様の言うことをなんでも聞くのが顧客志向ではありません。お客様に「銭失い」をさせないことが、「ちんや」の顧客志向であって、「銭失い」かどうかが分かるのは、その道のプロである、店の側だけです。だから、店の側が顧客志向に立って、肉を選ぶ必要がある、というのが前提です。」

 

石田「社長の想いを社員・スタッフの方へはどのように浸透を?」

住吉「対話しかないです。しかも対話に効率性を求めないこと。モテたい時に効率的にモテようなんて思わないでしょ。だから「適サシ肉」に転換する時は一人ずつ面談しました。」

 朝岡「“浅草”という地で、人として・企業として、学ぶことは?」

住吉「街に生きることは街に生かされること、あるいは人材として街に活かされること、と思っています。浅草で傲慢な気持ちで働いている人は、たぶんいないと思います。その立場を噛みしめ、また在り難さを味わう場として、浅草神社(三社様)に社員全員を連れて参拝しています。その際には肉を奉納します。自分たちの肉を神社がお納め下さるというのは、とても誇らしい気持ちになります。」

 

石田「すき焼きちんやが、人材採用で重要視する点は?」

住吉「浅草で営業しているということは人材採用の能率面では実は大きなマイナス要素です。正月も、お盆も、GW連休も働くんですから、世間とズレます。しかし逆に言いますと、ここで働こうという人は、この街が好きという人位しかいないとも言えます。そして、ここから好きを仕事にすることの重要性が分かります。人を喜ばせる仕事が好き。肉が好き。浅草が好き。「好き」は才能であり、同時に使命でもあると思っています。人は、その才能を活かす道を行くべきですし、職業にしてしまうべきであると思います。そう考えれば、人材採用も自然と出来て行くと今は考えています。例えば採用サイトで、賄いの肉がうまいことを最大のPRポイントとして訴えています。酔狂ではなく本気で肉が好きな人に来て欲しいのです。」

 

<ナレーション>続いてのテーマは…「決断」<この続きは、明日のこのブログで>

追伸①

・「どぜう飯田屋」飯田龍生さま(どじょう料理、合羽橋)

・「伊勢重」宮本重樹さま(すき焼き、小伝馬町)

「食品衛生事業功労者厚生労働大臣表彰」を受賞されました。誠にお芽出とうございます。

日頃親しくご指導いただいている方が受賞して嬉しいです。引き続きよろしくお願い申し上げます。

 

追伸②

Dancyuさんのお誘いにより、

二子玉川髙島屋の催事「第3回 dancyuフェスティバル~dancyu×高島屋 グルメの祭典~」に出店しています。もちろん「適サシ肉」を販売しますので、お近くの方、どうぞお立ち寄り下さい。

会場:玉川髙島屋本館6階催場

会期:10月25日(水)→30日(月)

営業時間:午前10時~午後8時

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.800日連続更新を達成しました。 すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)