着物で変わろう

日本和装さんのテレビCM「着物で変わろう」篇には感心しました。

CMのイメージキャラクターは木村拓哉さんです。

キムタクがメインって、いったいどれだけギャラを支払ったのか、しかも、あの解散騒動の渦中に起用するなんてスゴいなあ・・・という感心ではないです。私は、そういう芸能業界裏話しには、まったく興味がないです。

感心したのは、顧客ターゲットの設定の仕方と、訴えるベネフィットの設定の仕方、それへのアプローチ方法です。キムタクに目を奪われると見損ねますが、訴え方として正攻法なのです。

まずは筋を確認しましょう。

場所はドラマの撮影現場。キムタクが主演を務める撮影が終わって、キムタクはスタッフ全員で記念写真を撮ろうぜ!と声をかけますが、3人の女性スタッフが辞退します。

私はいいわ。おばさんだから。

私はいいわ。おばさんだから。

私はいいわ。おばさんだから。

3人は有名タレントではありません。その3人に、わざと現場スタッフ風のダサい恰好をさせていることは、この時点でバレバレなのですが、まあ、さて置きましょう。

ここでキムタクが「日本和装」の魔法をかけると、3人は別人のように変身して、紅葉散る秋の京都?を歩きだします。

で、キムタクの「変わり過ぎだよ」の一言でCMは終わります。

正攻法ですね。

対象顧客=キャリアがあって、少し年長の女性。

着物で得られるベネフィット=年長でも記念写真の中で輝ける。アンチ・エイジング出来る。

が明瞭になっていて結構と思います。

実際、昨今の着物復活ブームは、年長の女性が先導して、若い娘に波及しました。

私の学校の同期女子でも着物を着る人がいますが、ステキだと思って見ています。お世辞じゃないですよ。腹が出てきて、髪の毛が白くなってきた同期男子の在り様と比較すれば、誰が見ても「女子が綺麗!」と思うでしょう。

アンチ・エイジング市場はしばらく市場として有望でしょうから、和装業界はしばらく、この線で行くのが良いのだろうと思えます。つまり「着物で変わろう」と称していますが、「着物でアンチ・エイジング」が本音です。

それを訴えるのに今回は男性タレントを起用しました。この会社の歴代イメージキャラクターは真矢みきさん、観月ありささん、麻生祐未さん、岡江久美子さん、天海祐希さん、飯島直子さん、伊藤蘭さんと綺麗な女性ばかりでしたが、綺麗過ぎて一般人にはリアリテイーがありません。

今回はと言うと、メインがキムタクで女性は無名の方。その無名の方の魅力を天下の色男であるキムタクが見つけるという筋書き。

良く出来たCMと思いました。G.J.

追伸

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.390連続更新を達成しました。

 

 

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)