日果
マッサンのウヰスキー、ようやくですね。
あ~っ まどろっこしかった!と思った視聴者が多いようです。
「ニッカ」が何の略か知っていれば、すぐにウヰスキーが出来ないことは想像がついたと思うんですけどね。
視た方はご存知でしょうが、念のためそのことを書きますと、「ニッカ」の漢字は「日果」で「大日本果汁㈱」の略称が「ニッカ」です。
当初ウヰスキーが売れる見込みがなかったので、まずはジュースを造っていたわけです。「狆屋」が「ちんや」に成ったのと似てますな。
1934年の創業ですから、おおよそ70年かけて今日の姿に成ったわけです。
ニッカさんがジュースを作っていた頃ホンモノでないウイスキーを造っていたのが、「大将」のサントリーですね。
「大将」のウイスキーやワインは今日から見るとまがい物に見えるかもしれませんが、当時の日本人の味覚がそうだったので仕方ないところです。当時の日本人は「蜂葡萄酒」とか言ってワインにも甘味を添加して飲んでいました。
赤ワインの苦味も日本茶の苦味も正体は担任、いや、タンニンで同じ物質なのですが、茶は飲めてもワインは飲めなかったのですね。人間の味覚の分からない所です。
しかしサントリーさんは今でもまがい物を造っているわけではなく、「山崎シェリーカスク2013」はイギリスの著名なガイド本「ワールド・ウイスキー・バイブル」の2015年版で「世界最高のウイスキー」に選ばれています。
やはりおおよそ70年かけて、ここまで来たのです。
ブランドを造り上げるには、相当の年月がかかることが良く分かります。
昨今「2020年までに新ブランドを造るぞ!」
と勢いこんでいる社長さんや自治体の方が多いようですが、朝ドラは視てないんでしょうかね。
え? 視てるぞ って?
それはエリーちゃんを視てるんでしょうな、きっと。
追伸
一冊丸ごと「すき焼き大全」とも申すべき本が出ました。
タイトルは『日本のごちそう すき焼き』、平凡社より刊行されました。
この本は、
食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、
全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、
この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。
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