味覚の成長
お子さんがおありの方は、味覚の成長過程について、ご配慮いただくと良いと思います。
人間が感じる味覚には五味がありますが、同時には成長しないものなのだそうです。
味覚のバランスが出来上がるのは、20歳くらいだそうです。
五味には…
•甘
•塩
•酸味
•苦味
•旨み
がありますが、
カロリーである甘み感知するのが最初で、汗の材料である塩が次。
それから思春期に成ると、筋肉の原料である旨み。
そして、10歳代の後半になって酸味•苦味を美味しく感じるようになります。
酸味は腐敗の印で、苦味は毒の印なので、お子さんは嫌います。酸味・苦味のあるものを食べても腹を壊さないという経験を何度も重ねて、やっとお子さんは、酸味や苦味をおいしいと感じられるようになるのです。
大学に入って、コンパなるものに出て、ビールやウイスキーを飲めなかったという人がいると思いますが、それもおかしなことではないのです。
しかしですね、ずーっとそのままは困るのです。
ビールやウイスキー、コーヒーが嫌いなままの「大人子供」が増えているそうですが、それは甘塩旨だけの食事=ジャンクフードだけを食べて来たからです。
先日、松本栄文さんの勉強会に行きましたら、松本さんは子供の頃、お婆ちゃんから海鞘を食べさせられて、その時は苦しかったけれど、今は真っ当な味覚が出来て感謝していると言っておいででした。
少しずつ、しかし多少は強制的に酸・苦に慣れて貰うことが大事なわけです。
そうでないと成人病の子供に成ってしまいます。
その勉強会には試食の牛丼が付いていたのですが、牛丼に酢漬けの生姜も付いていました。
牛丼=甘塩旨=これだけではジャンクフード
生姜の酢漬け=酸・苦
です。酢漬けがあることで、五味が成立するのです。結構でした。
さて「ちんや」のすき焼きには昨年の秋からマイタケのピクルスが付いています。調理長の考案です。
多くのお子さんにチャレンジして貰いたいと思っています。
追伸
一冊丸ごと「すき焼き大全」とも申すべき本が出ました。
タイトルは『日本のごちそう すき焼き』、平凡社より刊行されました。
この本は、
食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、
全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、
この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。
是非是非お求めください。
弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。
是非。
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