ピケティ
ピケティとかいう人に言われるまでもなく、日本の中間層は細り続けています。
私はもちろん経済の統計に通じてはおりませんが、弊店の提供する価格帯が、ちょうどその辺りですから、中間層の御利用が細っていることを肌で感じます。
日本のバブルは1990年に崩壊しましたが、その後数年は日本の「会社一家」が未だ健在で、部署を挙げての忘年会や歓送迎会が弊店で行われていました。ちょうどその頃サラリーマンを辞めて店に入った私は、その光景を覚えています。しかし、それも今は昔。
以来日本の「失われた」年月はあまりに長く、サラリーマン社会は出世を目指すエリートと、非正規という名の低所得層に分断されてしまいました。私が元居た会社も今は社員の飲み会をほとんどしないとか。
分断されたのはサラリーマン社会だけではありません。
例えば、鮨業界。
一食3万円以上するような少数の超高級店と回転ずしチェーンに分断されてしまいました。
街場の普通の鮨屋さんが廃業して、回転の支店に置き換わった分だけ鮨商組合は会員数を減らし続けていると聞きます。
鮨屋さんというのは、日頃魚を扱い続けているせいか、たまの休みには肉を食べたい、という方が多く、結構な御客様だったものですが、今は昔。
鮨業界と似た理由で、街場の文房具屋さん、本屋さんもどんどん減っています。こうした店のご主人さん達も中間層ですね。
今日本政府は、こうした階層を降下しつつある人々にも広く消費税をかけて行こうとしており、ピケティさんがそれに反対していることが昨今の話題です。
消費税を上げないと国債が暴落するそうで、そのリスクと
中間層が細る⇒格差拡大&ますます低成長のリスクの、どっちがマズいのか私は分かりません。
しかし、やっぱり私は消費増税に反対ですね。少なくとも、食べ物に増税するのは反対です。
なんか贅沢品を、いくつか狙い撃ちして、そこだけ増税して埋め合わせできないもんでしょうか。
例えば、一定面積以上の不動産。
例えば、酒。
おっと、いやいや、それは良くないです。ちっとも贅沢ではありません。必需品ですよ。
追伸
一冊丸ごと「すき焼き大全」とも申すべき本が出ました。
タイトルは『日本のごちそう すき焼き』、平凡社より刊行されました。
この本は、
食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、
全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、
この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。
是非是非お求めください。
弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。
是非。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.801日連続更新を達成しました。