繁盛もほどほどに
業界の会合で、大変繁盛なさっている御店のご主人様と隣になりました。
その御店は老舗さんなのですが、最近行った改築がメデイアで話題になり、連日盛況と聞きます。そこで、
ご繁盛で結構ですねえ!
と水を向けますと、
いやいや、結構じゃないんですよ、忙しくて休みが取れないし、手は腱鞘炎に成りそうなんです。
おやおや、嬉しい悲鳴ですねえ!
ホントに嬉しくないんですよ。一番困るのは、お客様が店を出た所でレシートを凝視していることです。
レシートを凝視ですって?
そうです。要するに納得なさっていないんです。以前からのお客様だったら、この店で何を頼むと結局いくら位になるのか、だいたい見当がついていて、レシートを凝視したりしませんでした。ところが、今は話題性で来ている人・情報を食べに来ている人が多く成ってしまったんです。情報を食べる組が行列しているので、以前からのお客様が入れません。そこがとても困るんです。
なるほど、なるほど。そう言えばバブルの頃「ちんや」でも全部屋に予約を入れず、1室お得意様用に空けておいたことがありました。でも、バブル崩壊とともに、そういうやり方はせず、とにかく予約を入れて行くように変わりました。
繁盛もほどほどに、が肝要なようです。
追伸
一冊丸ごと「すき焼き大全」とも申すべき本が出ました。
タイトルは『日本のごちそう すき焼き』、平凡社より刊行されました。
この本は、
食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、
全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、
この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。
是非是非お求めください。
弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。
是非。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.803日連続更新を達成しました。