歩き喰い
最近浅草に「歩き喰い」の店が増えています。
「立ち喰い」店なら、まだ上等です。だって、立って食べるスペースが、ちゃんと店の中に確保されていますからね。
一方「歩き喰い」の店には、食べるスペースが確保されておらず、軒先に椅子が置いてあったりしますが、雨が降れば濡れるような場所、風が吹けば埃をかぶるような場所です。だから「歩き喰い」の店で食べ物を買った客は、ふらふらと街歩きをしながら、食べ物を食べるのです。
つまりですね、「立ち喰い」店はレッキとした飲食店ですが、「歩き喰い」の店は、そうではありません。似て非なるものです。皆ノ衆、よくよく御承知あってしかるべし、です。
「歩き喰い」の店は、飲食するスペースの無い店=レッキとした飲食店ではない店ですから、買った人が食べ物を家へ持って帰れるように、キチンとパックすべきですよね。
でも、そうはなっていませんね、残念ながら。
見ていると、アツアツの物や冷え冷えの物を、客が即座にかぶりつけるような体裁で手渡しています。要するに、歩き喰いしやすいようなパックの仕方なんです。
そのキチンとパックされていない物を食べ歩きますから、「歩き喰い」の客の手は、油やクリームでベトベトです。そして、その手で、なんと、次に入った店の品物を触ります(!)
扇子を、ベトベトの手で触ります(!!)
蛇の目だって、ベトベトの手で触ります(!!!)
これは堪りませんね、その店の立場に立ったら。
それで仲見世商店街は、
食べものを持ったまま、店に入ることは御遠慮下さい!
としきりと放送しています。日に何度も何度も放送しています。
でも気の毒ですが、こうした呼びかけでは効果は薄いと思います。
だって、もう日本人のマナーはどこかへ消え失せていますから!
「歩き喰い」の店には、保健所が営業許可を、そももそ出さないようにするしかないでしょう。
末法の世ですな。
南無観世音菩薩。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて783日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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