天麩羅の幸せ

 私の好きな食べ物は=鰻、天麩羅、焼き鳥です。勿論「すき焼き以外では」という前提ですが。

 最近ミシュランで評判の寿司が入っていませんね。寿司も勿論大好きですが、温度のないものなので、寒い季節には、やはり揚げたての天麩羅、目の前で焼いた焼き鳥に吸い寄せられてしまいます。

 食べ物の温度は、その食事の「幸せ感」に直結する、と私は思っています。

 でも電子レンジや電化調理器具による熱はNGです。電子レンジは、食べ物の分子だけを熱くするので、まわりの空気にあまり変化がおきません。それが「幸せ感」につながらない理由だと考えています。

 料理の作り手の「おいしいものを作りたい」という気持ちが、温度というカタチで、食べ手へと、空気を経由して伝わるのが、「幸せ感」の重要な要素だと思っています。

 東電さんがPRするところによりますと、オール電化厨房にすれば、器具からの放熱がとても小さいので、「涼しい厨房」を実現できると言います。厨房と言えば、灼熱の汗みどろの職場というのが相場ですから、「涼しい厨房」に心惹かれる気持ちは、まあわかります。

 でも、なんか幸せっぽくない感じがします、私には。

 そんなことを考えていたら、おいしい天麩羅を、その御店の御主人と一緒に食べる機会に恵まれました。新宿「つな八」の御主人C村さんの「揚げ揚げ会」が、それです。

 それはそれは美味しく揚げられた天麩羅が次々に出て来て、最高でした。

 でもこういう場合に心配なのが、自分の消化力。調子に乗って食べ過ぎて、後でイタい目にあったことが何度もあります。

という話しをしましたら、御主人が用意して下さったのが・・・

 大根ジュース。

と申しますか、要するに、大根おろしをおろした時にできる汁のことです。ここには消化酵素のジアスターゼが含まれています。ジアスターゼと言えば、有名な胃腸薬の『タカヂアスターゼ』でおなじみですね。

 しかも聞けば、大根ジアスターゼは1905年(明治38年)に、日本人が発見したのだそうな。素晴らしいです。

 それが「つな八」さんの裏メニューなのだそうです。御蔭様で、心ゆくまで堪能できました、天麩羅を。

 温度とともに、下着まで油くさくなりましたが、それが「幸せ感」の重大要素と言うものです。

 Banzai 天麩羅。

追伸

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Filed under: 飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (2)