嵌め込み

 「取材」「リサーチ」ということで、様々な方が私のところへお見えになります。

 勿論有り難く、ほとんどお断りすることはないのですが、見えてから、

「・・・」ということもあります。

 それは「取材」「リサーチ」というより「嵌め込み」とも言うべきケースです。

 何に何を嵌め込むのか、と申しますと、

 ご本人が描きたいストーリーに、

「ちんや」を嵌め込むわけです。

 この場合、たいていは先方の説明や語りが、やたらと長くて、ほとんどこちらは「ちんや」のことを説明しない、というやりとりになって行きます。だから次第に「嵌め込み」の方だな、と分かります。

 つまりは、その話しに「ちんや」を登場させる許可を取りに見えただけなのです。

 それでも、まあ、たいていはOKを出します。

 弊店の営業姿勢や私の価値観と、根本的に違っていれば、勿論NGですが、そういうことはそれほど多くないので「・・・」と思っても、最終的にお断りすることは、それほど多くはありません。

 ありがちなのは、現代の「食」の状況に、批判的な気持ちを持っていらして、その批判を軸にストーリーを組み立てたい、そしてそういう流れに抗している店として、「ちんや」を登場させたい、という展開です。

 私も現代の「食」の状況については「?」と思うことが多いので結構とは思います。でも現代文明批判がベースですから、その批判の範囲が広い場合には不都合も生じます。

 「文明批判の店」の主人つまり私が、パソコンとかネットとかツイッターとかフェイスブックとかをやっていると、盛り下がってしまうのです。

 使えるものは使ってますので、私。

 機械に人間が使われるのだけは避けたいと思っていますが、自分のやりたいことの道具として、ネットが有効であれば使っています。

 テレビや雑誌に出てきた私を見て、ホンモノと少し違うなあ、と思う時がありましたら、まあたいてい、それは「嵌め込み」仕事の結果です。

 それに比べてネットは自由に、自分の好きなことを書けるので、そういうわけで、やっぱり今後もご愛読下さい、弊ブログを。

 ヨロシクです。

 追伸①

 11/17(木)放送の、NHKの番組「ブラタモリ」で「ちんや」が紹介されます。

 と言っても、すき焼きの話ではなくて狆の話し。今回のテーマは「江戸の動物」なのです。私も撮影されましたが、果たしてオンエアされるのか・・・

 放送時間は、午後10時からです。

 追伸②

 11/27に第五回「ちんや」すき焼き通検定試験を実施します。

 年内最後の検定です。今年の内に、「自称すき焼き通を、公認すき焼き通に!」

詳しくは、こちらです。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて619日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

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 Facebookも始めました。プロフィールはこちらです。

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)