完全放牧牛

 島根県大田市「小山地区放牧の会」から御肉が届きました。

 この牛は、とても珍しい牛です。5年余に渡って、夏山冬里方式ではなく、周年(=完全)放牧された黒毛和牛です。夏山冬里方式の場合は、冬は牛舎に入れますが、この牛の場合は冬も放牧のままです。

 放牧ですから、エサは草です。本来牛のエサは草ですから、当然と言えば当然ですが、他の和牛は、ほとんど穀物飼料与えています。草を食べた肉牛は、少数派です。

 で、その草がどういう草かと言いますと、栗畑や梨畑、それに里山の土地に生えている草を食べて生きてきたそうです。

 昨今、「限界集落」の里山が荒れてしまっている、と聞きますが、それは草の刈り取りをする手数がないからです。

 でも、小山地区の場合、牛が自然に草を食べてくれるので、里山が荒れません。そうした循環型の地域づくりの中に、牛が位置づけられていて、畜産業だけが単体で存在しているわけではないのです。そこが、小山地区の素晴らしいところです。

 たぶん肉としては、普通にすき焼き屋で出される肉とはかなり違うと思います。

 大変珍しい牛ですので、一般にはお売りできませんが、試食会をする考えです。

 レポートを、どうぞお楽しみに。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて374日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (2)