2.000通りのオーダーメード料理

 弊ブログは、本日から2年目に入りました。引き続き、ご愛読をお願い申し上げます。

 さて昨日まで「六夜連続興業」をやっていた関係で、少し前の話しになりますが、2/24に、国際観光日本レストラン協会の研修会に出席しました。

 去年の研修会は、私が司会をしたので、講師の方のお話しをじっくり聞けなかったのですが、今年は、研修会の前日に開催された、年次総会の司会にまわったので、じっくり聞けました。

 さて、その内容ですが、2.000組の婚礼に2.000通りのオーダーメード料理を出す、という話しですから、驚かされました。

 講師の先生は、婚礼で有名な「八芳園」の元総料理長・森田薫さんです。以前の既製料理からオーダーメード料理へ、という改革を実行した、ご本人のお話しですので、受講生も皆、感心して聞き入っていました。

 その、オーダーメード料理の内容ですが、

・新郎新婦または、ご両親にゆかりの食材を料理する。

 例えば、出身地の食材を使う。

・ゆかりの食材を持ち込み、それを「八芳園」が料理して出す。

 例えば、田舎のご両親が育てた米を持込む。

・さらにイベント性を持たせる。

 例えば、披露宴の会場でローストビーフを、新郎新婦自身がカットする。

 なるほど、これならお客様は喜びますね。これで年間挙式1.000組が2.000組に増えたそうです。スゴいですね。

 でも厨房は、それは大変だったと思います。しかも、2000年にこういうことを始める前は、かなり旧態依然の仕事をされていたようですから、その間のギャップはやたらと大きいです。

 改革以前は、

・一年中同じメニュー(!)で、しかも、

・調理サイドの効率性を第一に考えたメニュー だったとか。

 それに満足しないお客様から、変わったリクエストがあっても、それはメンドウですから、社内に様々な慣習化した規制ができていて、接客担当がそれに基づいてお客様に対応するため、要は、

リクエストをお断りしていたようです。顧客満足は二の次、というわけです。

 こういう状態から、上に書いたような、改革をやったわけですから、それはタイヘンだったでしょう。

 その辺りについて、講師は多くを話されませんでしたが、私はチョッと涙が出ました。

 サンザン苦労して、この改革をやって以降は、いろいろなことが上手く回りだしたようです。

・調理サイドとお客様のコミュニケーションが良くなった。

・社内セクション間の連絡が良くなった。

・顧客満足があがり、婚礼以降の小イベントでもリピート利用が増えた。

 うーん。恐れ入って、何も申せません、私。

 もちろん、婚礼とすき焼きは違いますが、少しは「ちんや」も考えないといけませんね。

 例えば、47都道府県の、すき焼きに入れられる具材を用意しておく、とかね。

 その土地の人が来店されたら、喜びますよね。

 え? そんなに色々とどこに在庫して置くんだって?

 そうですねえ。やっぱりムリですかね。

追伸

 3/13(日)実施予定の、「ちんや すき焼き通検定」の、受験申込みの受付を、2/16より開始しました。詳しくは、こちらをご覧下さい。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて366日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

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Filed under: 飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)