肉と日本酒

とある市が地元の牛肉を売り出そうとなさっているようです。

牛肉の産地としては全く無名すなわち最後発ですので、広報の仕方は余程ひねらないといけません。

で、地元の方々が考えたのは、地元産日本酒とのマリアージュ

・牛肉と日本酒は意外と相性が良い。

・地元産の牛は、地元の米の稲わらを食べているので、地元の酒なら絶対に合うはずだ。

というご主張のようです。

はい、まあ、間違いではないと思います。

ただ、肉の料理法・味つけと、酒の製法を考えた上で合わせないと、完璧に必ず合うとは言えないと思います。

一つの例がすき焼きです。

すき焼きは、大変味が濃くて、匂いを強く出す食べ物です。

特にすき焼きは甘味が濃いので、酒がソフトな甘口の場合、酒の甘味を上回ってしまいます。その場合、酒は妙にサラサラ=水のように感じられてしまい、面白くありません。

また、すき焼きは匂いが出るので、吟醸酒の微妙な吟醸香を吹き飛ばしてしまうことがあります。

要するに、地元の米に由来する肉と酒であっても、それぞれすき焼き+吟醸造り、とした場合は、あまりハッピーでない結果になるかもね、と私は指摘しておきたいと思います。

あ、それ以前に、和牛と日本酒なのに、なにゆえ、「マリアージュ」なんだろうか?

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.291本目の投稿でした。

Filed under: すき焼きフル・トーク,色んな食べ物 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)