弊ブログの9月29日号で、
「エビフライの尻尾は食べる?」
という件を採り上げましたが、後日同じ件をテレビでやっていました。
そのコーナーでは、食べる割合=食べない割合を調査するために、名古屋へ出張したようでした。そして分かったこととして、
全国的には食べる割合は70%弱、しかし名古屋では90%弱。さすがエビフライは名古屋名物!!
と結論づけていました。
が、
エビフライって、名古屋名物でしたっけ?!
結論から申しますと、現時点では、そう言えなくもないようです。
しかし「名物」に成るまでには、1980年代から、変わった経緯をたどって、そうなったようです。
主犯はタモリさんでした。
80年代のタモリさんは、今より毒舌キャラを「売り」にしていて、嘲笑ネタの一つとして、名古屋方言を選んだのでした。そのネタの一つが、
「名古屋ではエビフライのことを『エビフリャー』と言う」
でした。それが大ウケしたというわけです。
実際には、名古屋人にとってエビフライは別に特別な食べ物という意識はなく、「エビフリャー」という言葉を日常的に使用する者はいなかったと言われます。そのため県民の中には、名古屋を揶揄するネタに反発する人もいました。
「名古屋弁を馬鹿にしている」
「語尾に『みゃあ』などとはつけない」
「今の名古屋人は、『みゃあみゃあ』などとは言わない」
タモリさんに反発する市民がいる一方で、名古屋の飲食業界には、エビフライが名古屋名物と勘違いされる風潮に注目した人もいました。エビと、名古屋城の金のしゃちほこのイメージを重ねて、「しゃちほこ丼」を出した店もあったとか。
そして、1990年にはクルマエビが愛知県「県の魚」選定委員会により「愛知県の魚」に選定されてしまいました。
うーん。エビは魚じゃないですけどね。
「エビフライは名古屋名物」のイメージが出来たのは、そういう経緯でした。
タモリさんがテレビで言い始めたことなので、テレビで「名物」と言うのは、まあ、いいでしょう。 でも、文章に書く場合は「」を付けておいた方が良さそうです。
本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.246本目の投稿でした。