昭和の思想
コロナ禍で人々がイライラしていて→接客の現場で「カスハラ」が増えていると報じられています。
今は簡単に動画が撮れるので、「カスハラ」の現場に居合わせた他の客が撮影し→ネットで拡散させ→それをテレビ局がみつけて放送する、という展開です。
「カスハラ」の中には、刑事案件として立件した方が良さそうな事例も多いですから、ネットや電波に載せることは、抑止力として悪くないのかもしれません。
が、そうした番組の中で出演者の人が、
「お客様は神様」という昭和の思想は止めた方が良い
と言っているのには、私は同意できません。
「お客様は神様」と言えば三波春夫さんですが、その三波さんが「お客様は神様です」と言った場合、客はどんな我儘をしても良いという意味では言っていません。
三波さんのご遺族が運営している「三波春夫オフィシャルサイト」に、そう書いております。三波さんの真意は、
「歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払って、心をまっさらにしなければ完璧な藝をお見せすることはできないのです。ですから、お客様を神様とみて、歌を唄うのです」
つまり、これは芸能に携わる人間の心構えとして、毎回神に歌を奉納するつもりで歌うべきだ、実際に聞いているのは人間でも神とみたてるべきだということを言っているのです。
テレビのコメントは意味を違えています。
また三波さんの考えは昭和に特有の思想ではなく、時代を超えたものですよね。
昭和時代については、その位真剣に歌に取り組んだ芸能人がいた時代だったという風に捉えるのが良いわけです。
最近流行っている、昭和、即、残念な時代という論調には同調できませんね。
本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.250本目の投稿でした。
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