2021年10月28日
下野
「日本資本主義の父」と称される渋沢栄一ですが、今年の大河ドラマの中では、なかなか財界人とならず、徳川慶喜に仕えたり、明治政府に入ったりで10月も後半になり、ようやく銀行の総監になりました。
渋沢が総監になったのは第一国立銀行。
この銀行の本店の建物は竣工当初、文明開化のシンボルとして話題になり、見物客が集まったり、浮世絵に描かれたりしました。そうした絵の一枚を「ちんや」は所蔵しております。
第一国立銀行は「国立」と名前が付いておりますが、民間の株式会社です。
渋沢が政府にいる間に提唱した「合本主義」によって、当時最大の商人であった三井組と小野組が出資してできました。そのトップに渋沢自らが下野して就任したわけです。
民間なのに「国立」というのは「国立銀行条例」により銀行券を発券することを許されていたので、国立と称したものです。
当初建物の発注者は三井組で、三井が自分で使うつもりでした。渋沢がそれを無理やり第一銀行で使うことにしてしまう場面を、大河でやっていましたね。
その立派な建物は、こちらで見ていただけます。
本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.261本目の投稿でした。
Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM Comments (0)