はんこ文化
新任の科学技術IT担当大臣・タケモトさんがブーイングを浴びているそうです。その理由は、
「行政手続きのデジタル化と書面に押印する日本古来のはんこ文化の両立を目指す」
と記者会見で宣言したからだそうです。
はんこに関わっている方々には申し訳ないですが、はんこは、日本の残念な旧習の代表例として、このところしきりと批判されています。容易に偽造できてセキュリティ面での意味がほとんどないのに、公文書に必須とされていることが気にいらないとか。この意見に反論するのは、なかなか難しいでしょう。
で、タケモト先生ですが、今回「はんこ文化」と表現なさいました。
この御方は、実は「はんこ議連」の会長で業界代表でもあるのですが、その点が目立つと、それこそ既得権益だと猛批判を食らうので、「文化」と言ったのだろうと想像できます。
ですが、思いまするに、文化性はあまりない旧習・陋習のことを「文化」と言った時、その「文化」の滅亡は、むしろ近まるような気がします。別件なのに「文化」と言っている胡散臭さに多くの人が気づくからです。
はんこには本当に、セキュリティ以外に、文化性があります。良く出来たはんこは素晴らしいものだと思います。オリンピック選手には、メダルだけでなくて日本風の賞状を出したらどうなのでしょう。良いはんこ、良い朱肉、良い紙で。そういうことなら文化と言っても良いかと思いますが、
既得権を「文化」と言い募って、誤魔化そうという方向は避けた方が良いのでは・・・と思ってしまいますね。
「文化」を語るなら、もっと文化性を押し出しませんか、タケモト先生。